君に語りかけるつもりで歌ってる 文字を覚えたあの時からだ
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欲しいかな 金とバイクと職と夢 どれも取れずに夏は去りゆく
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だだちゃ豆山盛りにして貪って明日の分も一皿追加
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オジサンとお出かけしない? パパママとお友達には内緒だからね
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何度でも目を奪われる虹の橋いつか渡ると知っているから
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揺らぐ歩が影に隠れて歩む歩が外灯の下をひとりで帰宅
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ガソリンを金額指定で明日マスの箇所を埋めていくスケジュール
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ハンバーガー親友の愚痴聞きながら笑い話にもってけたら勝ち
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歳とった猫しょぼしょぼと膝に乗る あぁ小春日と あごの下掻く
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風速の早い今日ほど好き日なし君への歌を届けるために
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夕立に隠れるように泣いている少女よ君の悲しみどれほど
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一番に好きになった者でなく一番初めに愛す者の勝ち
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水面につま先立ちで浮かびたるその白き根の無垢な仙人掌
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「クレーターみたいなの」って口内を無邪気に見せるキミにドキドキ
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あじさいの白さが移り透きとおり やがてやさしさだけになりたい
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寂しさはさよならじゃなくその後の ひとり眺める夕焼けなんだ
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背高い君 好きだったこと 忘れよう 合わせて履いた ハイヒールやめる
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乳房を 湯気の中で すくいあげ その重さに さよならする日
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こんにちは カーテン揺らし やってきた 暑さをさらう 風の妖精
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好きな人 見つめる君に 俺はただ 気持ち隠して 友達でいる
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家を出て すぐにイヤホン 耳にさす ほんのわずかな 自分の世界
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平熱に擦り切れてゆく銀紙を剥がせば月は現れますか
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あたらしいピアスを刺した右耳の三日遅れの拒絶反応
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朝静か花なき百合の葉の上で露を朝食あさげにす てんとう虫
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踏みつけた頭の下の顔のことを想像したことありますか
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わたしは美しくもないし幼くもないから神の加護を受けられない
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マジ顔で心酔してたさっきまで半乾き髪を放つたらかしで
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「付き合ったきっかけは何?」「彼の顔、私が好きな父にそっくり」
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初恋の人と暮らすか、初恋の人になりたい人生でした
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塗りこめた夜にひかりをひとつ添え差し出す月の照れ隠し雲
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