中尾かな子
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10年後 きみはいるかと 思い馳せ 頬を撫で去る 冷たき吐息
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間違えて 過去に降り立ち その渦に 身を投げたいと 思うキタルファ
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親のは 永遠とわに大きい わけじゃない 空き缶が守る 小雨の湖
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美しき 国に行きたい 足枷は 美しき風 美しき風
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夜に刃を 当てて君の 削り出す 波打つ皮膚に 降るは星屑
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濃紺の 世界に私 ただひとり 似た色を持つ 君だけが好き
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おにぎりと 出汁巻き唐揚げ ミニトマト 半透明の 王国に蓋
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生温なまぬるい 塩素の底で 息繋ぐ 瓜二つなる 傷を合わせて
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大丈夫 ここには誰も いないから 口へ含めよ 無数の氷河
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腕伸ばし 吾のだいだい 水色の 空に溶かせよ 人無きクレーン
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瞼閉じ こうべを垂れて 祈りけり 排水溝に 墨汁の黒
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透明の 無数の傷に 雨染みて 我が雉虎キジトラの 黒をなぞりぬ
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