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展示さるる茶器を納めし桐箱を指差し幼な子「プレゼント」と云ふ
8
日々何を 思い過ごして いるのだろう 猫とて人生 楽じゃないはず
10
朝の
床
(
とこ
)
ギュンと伸びする猫のごと からだチェック老いのルーティン
15
連休が終わってぽかん胸の穴
苔生
(
こけむ
)
す
土塀
(
どべい
)
は何も言わない
27
春宵の
冷風
(
ひやかぜ
)
の運びぬ 薔薇の香の優し 帰路の住宅街
20
「ねえママ、パパはどこ?」「生ゴミ出すの手伝って、坊や」(真似かっぱ)
13
朝の
光
(
ひ
)
に 照らされている 麦の穂の
黄金
(
こがね
)
にかがやく 君の季節よ
14
もの憂げな 空の下でも 花は咲き
鳥はさえずり 今日も今日とて
8
湿る朝九日ぶりの通勤路 いつの間にやら草木はおがり
15
懐に点すきいろの星ひとつシーツのテントはしろく膨らみ
23
行き場なき子が公園の隅で噛む乾いたパンのこどもの日かな
32
東雲
(
しののめ
)
の 越前和紙に
千年
(
ちとせ
)
の香 書き置く和歌と 影を背に行く
16
春眠の 暁詠めり詩あれど 惰眠貪る我に
暇
(
いとま
)
なし
24
続編のアメリカ映画
時代
(
とき
)
移り 随分減りたり社内パワハラ
25
妖刀に好かれるタイプで困ってる背負うしかない危ないからね
6
未踏の地 遮る砂に目を閉じる 磁界を開く揺れる大地に
9
真っ白に視界を奪う極北は命を拒んで氷へ閉ざし
5
老いたる身「介護」と言う名の荷背負い 黙々歩むあなたの
道程
(
みちのり
)
/老老介護
18
目の前の妻の記憶さえ消え去りて 見知らぬ人と 映りし
夫
(
きみ
)
哀し /老老介護
16
「あなたのお宅どこですか」問う
夫
(
きみ
)
に 「あなたと同じ」答える妻哀し /居合わせた老夫婦の会話耳にして…
15
岩山の鎖り場を行く感じする怖し我が家の急階段や
19
雨の日はネット画像に時託すカウチポテト派冷和も在りき
13
連休も終わる憂いにジッポーのオイルを足して点す夜かな
21
夕焼けの逆光浴びる友たちの顔をどうやら覚えていない
3
和傘抱く 舞妓の影の絵が浮かぶ旅籠無き道雨の綱島
17
君のそのカツラは言っちゃ悪いけど禿げに毛が生えたようなもんだね
6
浮く月は 闇の静寂に 動かざる 午前三時 烏の声あり
14
一本の 煙草が消える まで君と 逢う日を照らす 蛍の如く
15
偉ぶらず 戯け道化の 役選ぶ ドッと受けを取る 姿に
憧憬
(
どうけい
)
4
妻の声「五十三回目よ」で目にうかぶ角隠しせし若き花嫁
6
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