の為に 栄養与へ 黄に染まる 健気けなげな姿 ながむ竹林
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夕陽浴び心に灯る花こぶし花びら卍 春のめでたさ
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春だね、と幾度も言ってブーツ脱ぎスニーカー履きちょっとパン屋へ
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雨の中満開桜風吹けばおいでおいでと俺を呼んでる
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日影の説明受ける けれどなお釈然とせず 条例の陥穽あな
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喧騒と 湿る心と 聲の群れ 吹き抜ける風 羨ましいなと
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遠くから 君眺むるに 火照る頬 片道の恋 戻れぬ儘に
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チョコレートスプレーについて考える 夏の日五歳だった頃の記憶
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ハタハタと はためくまくら ねこまくら 手洗いされて風に当てらる
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好きだよと言えばよかった目の前でガトーショコラが掠め取られる
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透明感のある声ですねええわりと鳥とか虫とかぶつかってきます
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通勤路 れた道を 歩み行けば 八重桜見頃の 日曜日
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ベランダの洗濯物や満艦飾 春風煽る生活の色
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悪役の非情な台詞に酔いしれる赤いマントを膝掛けにして
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高らかに謳われるきみの人生の最終章はぼくだけのもの
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台所にふたり立つ 寂しがり猫も来る 一畳に一家揃いし幸噛み締め
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吾のお気に 手のひらサイズのハンカチを 「なんかハンカチみたいなやつ?」とキミ
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なんでしゅか?に 「フゴ」というのが おへんじよ ねこのおへんじ いろいろなのよ
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クライナー ストロングゼロ シーシャバー あたしを学生(笑)たらしめるもの。
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とろみ剤どんなもんかと低脂肪牛乳に入れ飲めば美味なり
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悪いのは ぜんぶ僕だと 謝って この話まで 終わらせる俺
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一軒の 古い花屋が 壊されて できた空き地に 三軒の家
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まだ冬を 引きずるつもり 旅立ちの 鳥鳴き交わす CLOUDY SKY
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去年より半月はんつき早く食卓へ青菜と塩もみ胡瓜きゅうりの酢の物
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手を眺め亡母呟く独り言大きな手ならばもっと仕事が
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どうしたら よかったものかと 亡き人に  問い続ける君  同行二人
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早緑に萌える銀杏いちょうを前にして落葉おちば季節ときは忘れておこう
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指先で弾きテープでひっつけてやたら多いな春のカメムシ
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アルカイックスマイル見せて君は行く誰にもホントがばれないように
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愛してた過去形になるその前にもう一度だけ抱きしめて欲しい
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