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今はなき 人の温もり 聞くチャイム
5
山笑い 頬を染めゆく 桃色や
6
Blossoms 蒼きひとみに
溢
(
こぼ
)
れちる いにしえの花 なごりの風に
5
散る花と咲く花ありて弥生末 じゅんさい池の鴨は羽ばたき
29
機種変の 逝きしひとの名 ゆびに触れ ふるさとに聞く 在りし花の香
7
手の冷ゆる 彼岸の午後の 徒然に 甘めの紅茶 時かけて飲む
21
ねびまさる 川井郁子の ヴィオロンを 直(ただ)にし聴かず 春さりにけり
13
焼きすぎて 硬き餅(もちい)を 詫びながら 鶴屋茶房の ぜんざいを食む /鶴屋八幡餅付きぜんざい(鶴屋茶房)
10
塩漬けの 桜を添えて 色も香も 雅になりぬ 酒饅頭は
21
春風に少年は駆けるよああいまもむかしもさあいけ何がなくとも
4
役割を終へし器物に
労
(
ねぎら
)
ひの気持ちを添へ そうっと
芥箱
(
ごみばこ
)
へ
27
一人城 引き揚げてきた三男の 荷物が我が家の居間占領し
22
わが旅は葉ずれの音の合間より太平洋をはるかに望む
20
足下にてんとう虫の歩み観て単車休憩牡鹿の海よ
21
興冷めなプラのちょうちん連なりて 地域振興さくら祭の
18
子どもらが 欲しいともらった 風船を すぐに手放し 手を振り笑う
5
おむすびをリュックサックに放り込み 勇んで来たがまだ一分咲き
22
才能があれば書けるし才能がなければ書けない 諦めなさい
6
晴天から俺を四六時中監視する何者かを見返す目は無い
5
しなやかにうつろふ水を見つめつつ流れの果てに夢を解き放つ
10
わくちんを すませてやれやれ つかれたね うでまくらさんで ねんねするニャ
20
春風よ いつまでも疼くこの心 そっと包んで 癒しておくれ
28
また不意に 寄せて返すこの悲しみは われら家族を しばらく去らぬ
29
暇
(
いとま
)
あり 読書しようと 意気込めど わずか十分 やる気は失せて
16
春よ来い 呼ばれてすぐに 行くものか 季節の意思は 思春期のよう
24
傷が付き触れると落ちる背の
鱗
(
うろこ
)
一つ一つを拾いてあるく
21
すべてを貫く普遍の原理 数学 あなたは遠いということ
4
内定も卒論もただの紙だけど 僕は震える
肉体
(
ひと
)
としている
31
枯れた花 そこに美を見る者にだけ 自然は真の姿を見せる
11
牛乳のパックを白い
衝立
(
ついたて
)
に豆苗そわせて春の陽増し増し
24
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