与えられなかったものを数えては 力任せにお腹を満たす
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バターでも乗せちゃうぞ誕生日でもない タオル下のまんまるおなかに
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さよならの数だけ左足を出し出逢いを求め右足を出す
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窓辺から街ゆく人を眺めては そこにも人生ここにも人生
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肉球を ポチリと押すと 手を丸め ギュウと我が指 包み込むキミ
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散歩道 春の陽の下白猫の天使と見まごう昼寝顔見る
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ありがとう来年も咲けよクロッカス今日はそれぞれにお礼肥をやる
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朝は冷え 昼間は春の陽射しかな みんなそんなに もつ鍋食べたい?(暑くない?😅)
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もつ鍋の店はものすごい行列で 我らは横目に その先のバル
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赤チェックスカート 長い付き合いだ 清水の舞台から飛び降りて買った(30年くらい前にバイト代で‥物持ちいいな(笑))
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南からの湿った空気でぼくたちは変な踊りを踊ってしまった
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弥生なか真白き頭の伊吹山梅も戸惑う風の冷たさ
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「金属のアレルギーから髪抜ける」どうやら円形ハゲの原因は歯か?
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ネコのいる部屋でスマホし 飲み物もあれば 自宅も猫カフェになる
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あれもいやこれもきらいで夜が明ける赤ちゃんみたくなるお父さん
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この街に素敵な本屋3軒もオープンしたと夢で見たんだ
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補聴器を父の耳へと付けるとき はたと気づくは同じ遺伝子
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君が一つ買い物袋持ってくれた いつものスーパー冬の帰り道
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進めると どんどん終わって なくなっちゃう やりたいことって 全部玉ネギ
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帰り道 ふと目に入る花束に あなたの笑顔重ねてみたり
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嘘つくな 気取った言葉で 繕って 本当はただ ヒマなだけだろ
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何も出ない 書けなくなったと 君は言う 幸せだからだ 幸せだからだ
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うつせみの身を追い立てし春のに彼岸のつとめ思い出し
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わがたま幾度いくど冬の背 見送れど 凍え篭もりて知らず啓蟄
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誰もいない 私のそばには 誰もいない ベッドの上で フラれてばっかり
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まばゆける車窓に揺れる虹の糸 蜘蛛の啓蟄 うらやみてひる
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これからも元気でいろと気遣われ傲慢だった時代を恥じる
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「先生もどうかお元気で」添えられた折り鶴が棲む老医師の席
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誰もまだ 何も言っては いないのに 世界に死ねと 言われてる気がする
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誰ひとり欠けることなく成人し笑って話す奇跡と思う
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