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お彼岸に相も変わらず小豆炊く
亡姑
(
はは
)
の手仕事絶やさぬように
37
桜咲き会わなくなった君想い、オソロのチャーム鞄でチリン。
6
「迷ったら前に出るんだ」亡き友の言葉は今日もわが背を押せり
27
主軸たる 者が操る 刺さらない 言葉の真意を 知る由もなく
13
走る車夫秋の栂尾(とがのお)高山寺 木立の奥に鐘の音ひびく
7
雨の日は金木犀が良く香る
背
(
せ
)
なにまといて買い出しに出る
29
一叢の水引草に風立ちて 細き花穂のおどる夕闇
13
鉄鎖攀(よ)ず石鎚山のご来光 祈りの声に混じる風音
6
言ひ渡す執行猶予蚊のなごり 消へぬ痒みをただ掻きむしる
5
隠しても頻繁に紡げぬ言の葉に 書いては消して 君へのLINE
11
言の葉に潜む棘あり薔薇の花 迷ふこころの空鋏
6
チビ猫は やすい・おあそび だいすきで ペットボトルの フタけりまわす
24
静けさに 本当に来るの 台風は ずらしておくれ ご先祖様よ
6
この青じゃないと泣く子のパレットに涙が落ちて青よりも青
29
しんとした 部屋に沁み入る雨の音
愛猫
(
きみ
)
を
抱
(
いだ
)
いて隙間を埋める
19
この国のラーメンカレー美味すぎる脂肪減らずに医師大激怒
14
静謐の夜の室内プールには孤独に慣れた水音響く
8
やわらかに柳青める川沿いも避難勧告区域となりぬ
11
取り返しのつかぬところにいるのかな あしたの米を研ぎつつ思う
15
どうやってバトン渡せばいいのだろう 海山川もかくも汚れて
9
山裾の古い農家を訪ねれば「避難しないでここに残る」と
6
ろうそくの光のもとで読んでいる新潮文庫『沈黙の春』
7
花なきも金木犀の香ただよひて秋の記憶をよぶ風のあり
26
肩すくめ寒さに震え前置きしわれを異常と呼んだ人あり
9
駅頭に立つだけで良し知らぬ地に遁走したき 衝動起こり
10
自死したと聞くと軽侮と羨望が入り混じりつつゆかりなき人
11
おトイレの動作がやたら鈍重に今朝がた気づき自嘲している
12
九Bにて 殴り書きたる 草稿の 三十一文字に なりて嬉しき
8
先月の千葉水害の悪夢ゆえ 車も乗れず雨の連休
20
富士山を 望む崖線 上に建ち 彼岸花咲く 旧小坂家別邸
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