Utakata
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凪野 燈
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22
卒業の朝に取り出した靴底に挟まっていた桜の花
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心が割れると君が言うならガラスを落としその音を聞かん
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光たちが地球の裏で静かに灯る 屋根の下に笑顔を見る
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こだわりの一品ですよと皿を出すその手に惹かれてはや十年
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スマホのカメラで読み込んで下さい 案内の前にビールの声
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ポケットの赤い詩集の隙間から紡ぐ言の葉は真紅の響き
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赤毛の少女が振り返る先には暗闇を切り裂く幕の音
7
アドベントカレンダーを開ける音 チョコの鈴が鳴り舌先で溶ける
6
雲流る切れ間に覗く星空よ 紺の深さは海溝のよう
11
霜降
(
そうこう
)
に息吐き出して役目果つ引き出し奥の除湿剤
10
死に際にもらうカルピスソーダ薄れゆく記憶の中には甘み
7
札幌とは稲健やかに微る風 麒麟の誉れ朝日のように 『ビール』
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気付いたかな会話の隙間がとってもながいの 認めたくなかったけど
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時をまぜてのばしたらどんなゼリーができるだろう苦い味かな
7
ある年恋人を川辺でフィルムに撮った いま、そこは道になっている
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湿度高くはじまらぬ秋 傘をコンビニに忘れ窓も汗ばむ
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死亡事故のニュースを口ずさむと オウム返しする毛玉のロボット
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些細に触れる口の柔らかさその先がわからずネトフリを点ける
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ワインをこぼし後悔と同時に喜びが勝つパーティーをうたう
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見ていない火事を思い出す 住めない家をストリートビューでなぞる
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文が止まり、時間が進む 夜の音は僕の上を通るらしい
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アスファルトの坂を登る ケルンのピアノを耳に駆け足
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