リハビリか あめに歩行機 おしてゆく ハットにポンチョ 歯科でみたひと
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一日ひとひかけ鉢の植え替えをれば裏の藪より杜鵑ほととぎすの鳴く  
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おいしいね!母子ははこの笑顔想いつつ夕暮れひとり握るシウマイ
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傘させば チャリンコだって いはんきん スーパー往復 ちょいぬれしのぐ \交番まえをゆく
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生たまご・サトウのごはん・味の素・正油・めんつゆ・七味・かつ節
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蔓からめ微量の毒と甘い蜜 かずらの花は梅雨空に笑む
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なんだってほしいほしいと言うことのあいはどうして羽根なんだろう
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生きているだけで劣等と、眼差す。構造として見下すタワー
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豪快に舟漕ぐ女子の隣にて肩を貸したしお疲れ様と /電車にて
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いてしなだれかかる夏姫や 暑苦しくもあるノウゼンカズラ
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浅き平和されど續ける戰争の昏き眦睨めることなきか、汝は
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昔観た映画の話思い出すとても退屈な映画だった
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山並みもスカイツリーも靄のなか ノウゼンカズラの紅だけカラー
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ナツィストの肋骨より納まりぬ軍卒の襤褸なせるは憐れ
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日本國民 汝、深き疫病なり党争と黑血の蟠る日の旗を振り
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種明かし前に別れてしまったら鳩が出てこないままの帽子
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充実!と 感じられしは 良い時を 過ごせたことか 時の記念日
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ドクダミを「あぁ、ドクダミ」と思う時緑で染まる私の余念
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花散りし鉢のさつきを植え替える その鉢々に雨降り続く
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大切な思い出全て生搾り 甘い記憶のシトロン・プレッセ
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魂を むさぼるやうに 生きる師の 空の写真は 一万枚超ゆ
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教室の隅でうつらと白昼夢シナモン味の夕焼けのあと
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近代的自我などといふ虚構にも傘のごとくに天皇制は
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日に添えて葉っぱも木陰も空気まで濃くなっていく桜並木よ
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雨の日は子どもウキウキママ憂鬱濡れたい君との攻防戦
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霧雨に月下美人の花開く薄明かりの中に香り漂ふ 
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傘さして家に帰ったはずなのに子どもびしょびしょお風呂にはいろ
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去り際がドラマチックじゃなさすぎて もう会えないとは思えなかった
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幾千の針も隙間なく刺しゆけばまるくならむと笑むきみと生く
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狼の遠吠え響く我が身体今すぐそこへ駆けてゆきたし
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