更新を忘れた免許 父親の顔はそのまま失効された
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徒花の 残り僅かな人生に 乱れ咲くぜよ 桜花爛漫
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大判焼きおやき食い 空の満月夜桜と 柿川流す 淡い思い出
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幅跳びというより飛躍飛び越える歌が詠みたい見えないバーを
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晩酌の三百九十八円さんきゅっぱのあん肝をつまみ餃子を片手間に焼く
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家着けば追いかけっこがはじまってトムとジェリーはどっちが猫だ?
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窓越しに 空見上げれば 満月の見えぬ卯月の 今宵の雨天
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ゆくりかに果たされました逢瀬にはあらはれてゆく足が冷たい
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我が国の戦果を伝えたラジオ塔 戦後静かに公園に立つ
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明日から田植えはじまる水田に白く揺れるは春の夜の月
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春の風 ビニール袋に詰め込んで かなしいときに すぅっと吸いたい
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手に握る緑の光がいつの日かドームの森の一部となれば
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色のない景色の向こうに繰り出せば花々の色やたら眩しく
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ガチギレの上司が紡ぐリリックをつたない謝罪のライムが煽る
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混みすぎで ママもう無理と泣く子供 気の毒なりや 万博パニック
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グレイヘア似合うはブルベ冬らしいイエベ春にはグレイくすみ似合わず
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ちま猫ちゃん ねおき寝起きで 「ぽやん」としたままに ゴハンはたべる もぐもぐたべる
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ボツにした歌詞が好きだと口ずさむ君がいまだに完成しない
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誰にも言えない 密事の歌よ  誰かに届け 詠んでは消える utakata泡沫の夢
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冬服をタンスからまた出して着る春の長雨
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夢洲には無縁でいたいかりそめの過度な未来は信じていない
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しとしとと雨降る午後の静けさにゆるゆるゆると時間は過ぎる
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諦める ことを諦める 諦めの 悪い大人に 諦めてなる
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子供から 時間を奪い 親奪う 資本主義とは 飢えた狼
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両親が 疲れ果てれば ゲーム屋が 儲かる仕組み 亡国の危機
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労働に 疲れ果てたる 母親に 子供を諭す 時もなきまま
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愛犬と海霧の海岸で、五里霧中の散歩は天国の如し
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母親は 娘のことを 心配し 嘆く時間も 取れないままに
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スピーカー撫でれば千手観音の地団駄の度ふるえる心
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謙遜で 清くなければ 天にあり 救い受け継ぐ 者はなかりき
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