毎日の山の変化を目の端に初暖房の車通勤
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切れ間ない 曇天どんてんまるで 水彩紙すいさいし  想いはけて 雨はにじんで
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まつりごと 合従連衡がっしょうれんこう 複雑怪奇ふくざつかいき  日はづれども 名君は出ず
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迷い猫 網戸越あみどごしから のぞいてる  愛嬌あいきょうに負け 煮干にぼしを渡す
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くだらない 取るに足らない その中に  風雅ふうがちりが 一二三ひとふたみっ
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人と熊 山の神との 邂逅かいこうは  ことごとみな すれ違いから
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家がある食べ物がある本がある この美しい国に生きてる
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料理人腕を磨いて舌を巻く舌の肥えた人が舌鼓を打つ
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ママを診るあいだ預かる赤ちゃんを抱けば懐かしぬくみと重み
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OPで踊るアニメのキャラになり大体の人と仲良くやりたい
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君と見た世界は全部違う色 今度また違う世界で白黒
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色褪せぬ黄金の空眩しくて躓く俺にもなれるだろうか
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人々に愛される君しみじみと 思い返すとまだ鮮やかで
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動かずに片付けはじめるカタツムリ片目をつむって道を開いて
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死に際にもらうカルピスソーダ薄れゆく記憶の中には甘み
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「スイスにて安楽死してチベットで 鳥葬されたい」ずっと言ってる。 /「夢」「解放」「自由」「尊厳」
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向かいあう塗りの剥がれた狛犬もちょっとうれしげ金ピカの秋
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店内でダブルチーズを食べながらしみじみと聴く石川さゆり
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宇宙人・妖怪・かわいい猫を見た1dayコンタクトを捨てる
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迷う心答えなどどこにもなくてスマホ検索縋るおもいで
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八十歳老後のために貯金開始切りつめ生活何歳まで生きる?
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遊ばない仕事終わればすぐ帰宅ひたすら貯金何がおもろい
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虫二なる静かな水に垂らす糸 風月無辺も腹は鳴るなり
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介護ってホントにできる?思うけど 寝顔を見ると切なくなるわれ/実家にて
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夕間暮れ ぽつりぽつりと 点灯す 民家の電飾 近付きぬ冬
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フリーザのものまねをしてひとしきり盛り上がったら来たサムゲタン
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結婚と離婚を何度もするやつと何の出会いもない俺たち
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「こっちです」と俺がボールを拾ってあげる前提で声かけられ
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イケメンに「細ぇ腰…」とか言われてる時点で感情移入できねぇ
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応募した覚えのないコンテスト 落選通知が2通届く
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