生きている姿のままで動かない 蟹のむくろに靴先で触れ
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泥水を啜って生きた唇を優しく噛むの。さちを感じて
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「まるで逆…」他人ひとみて戸惑う状況が思わぬヒントになったりもして
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ペン擦る「見ないうちに女らしく」主人公より先に布石を打つ
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もう一歩前へと五月蠅い君に見せたい俺専用の生きてるトイレ
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手と足や髪も心もなかりせば吾は君を結膜にみばや
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曲がり角カマキリすがたの自転車は雨の中にも這う効果線
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大袈裟な相槌ばかり打つていた 鎮痛剤はもうすぐ切れる
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夫婦茶碗サイズを変えて主張する飯のかさなど変わりはせぬに
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壮観な仕事の山を片付けて春には山越え遠征しよう
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歌を詠む知的生命レベル100 掲示板とは段違いかな
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毒母どくははよ あなたが吾に蒔いた種 毒花どくばなとなり見事咲くなり
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うたげ終え 友飲み残したる 杯の 祭りの後に 似たる寂しさ
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愛が欲し ぬくもり欲しともがいても 応えてくれぬ毒母はは 横たわる
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看護師の姉のおすすめハーブティー「なにこれマジで病院風味!」
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ある年恋人を川辺でフィルムに撮った いま、そこは道になっている
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打算だね妥協をしてでも勝たなくちゃ結果を出さなきゃ潰されちゃうから
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大根を載せし軽トラ通勤の車に紛れて信号待つや
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凡作で応募してみる新人賞 構成楽しむ詠進遊戯
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湿度高くはじまらぬ秋 傘をコンビニに忘れ窓も汗ばむ
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デパ地下をそぞろ歩いて目の保養母に後ろ手繋がれないで
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支部長のカバンの中に金マイク 誰か誘えよ鼻歌でかいぞ
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ワンルーム 君が言ってた断捨離は 夜逃げの準備で クッションしかない
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画廊などもったい澄まし歩いても心弾ける何ものもなし
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悲しみも 黒いスーツも もうたくさん 柳よ柳 優しい歌を ①
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人という人とは常にニアミスで生きて堪えた軌跡こそ夢
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雲と霧見境もなく野と山に垂れ込め隠し雨降りやまず
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もしも世が偶然できたというならば目に映るもの全て夢なり
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あなたとお別れしてから 血液検査の結果があまり良くない
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寝食を忘れるほどに楽しいよ AI対話でまた夜が明ける
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