辛くとも 誰も困らせなきやうに 密かにうたひ しづかに泣きぬ
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雪降るか降らぬかの朝時をうやかんに手かざしぬくめつつ待つ
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芳醇な高級パンの香が満ちてポールのあまい歌声と合ふ
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イエローサブマリン描かれたエコバッグパンより先にディスプレイ見ゆ
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アビーロード歩く四人のシルエット看板語るオーナーの好き
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ビートルズのナンバー流れ宇都宮セレブパン屋に寄る同行日
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もうお昼 もう夕ご飯 そんな日々 積み重ねては 微笑んでおり
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通学路 行手を阻む 向かい風 そこまでするなら 帰ってしまうか
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新しき ことに挑むのは たのしい ひとつ覚えて ひとつ忘れても
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様々な機能が付いたスマホだが ヘビロテなのは懐炉の代わり
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六十年、ポールもレノンもいいけれど我は好きなりハリスンの歌
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食べないとばあちゃんみたい食べられずいなくなるのは嫌だ母さん
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将棋でもさせば自由のわかるてふ西部邁はすでにいない世
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タイミングいいか悪いか除雪車の今掃いたばっかしだから置くなよとオペレータをじっと見つめる/雪
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なんとなく落ちてく場所が違うよう急ぎ飲み干すコーヒーの味/まぁ胃ですが⋯
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大寒や 子に贈られし裏起毛着込む エアコンの度一つ下げ
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いってきますって言ってうふふとなっちゃう 大寒に根を張る冷えに背いて
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新雪よ 頬を赤らむ君の手は 我が手包みて微かに震え
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思うよに できぬ練習 もどかしさ ただ気ばかりが 焦る毎日
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ちま猫ちゃん けさは てぃっしゅを はかいする かじりまくるよ はこボロボロよ
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看病はジジババよりも犬がいい小6男子まあそうなるね
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漁港には去年と同じ鴨が来てキンクロハジロ 来年の吾は何
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気いつけや猫背は負霊の乗り物やフレーフレーて不幸招くで (特に若い人ね)
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出鱈目に君が爪弾くカリンバは歌詞を求めて部屋を漂う
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勤続は 百年超えて なお現役 体温もあり 孫までおわす
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リップひき ポンパドールで キメてきて バレないように 靴で雪像
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雪国で 素手で雪玉作る子ら 大切そうに 指の間に
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夜半2時 ふと目を覚まし 寝つかれず 君との口論 言い過ぎたよね
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確執抱え いくばくも無い母の介護 最期は優しくお別れしたい
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自動ドア凍てつく空気 遮りて マグカップの湯気に 心ほどけゆく
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