チビ猫は けさは「ろいず」の チビ猫で かべにうつる かげまで ねこみみ
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ねこの手を にぎって 心地良く寝落ちした 目覚めさわやか 本日快晴!
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夏季休暇終了同時告白後失恋全治二十四時間
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囚われない心の檻にも世間にも戯れ遊ぶ童のように
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看板の 日陰に群がる 朝の人 信号の前の 変な空間
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君が言う死んでるように生きている何も言えずにエクレア分ける
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雨あがる竿さおしなる程洗ひ物 活きる証が町にはためく
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神様は起こしてくれる気が効くね働き遊び疲れ果てても
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どのイルカ見ればいいのかわからなくてきみが見ているイルカを見ていた
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小庭にも揚羽舞い来て心浮くそよぐ木立ちにキジバトの声
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あの一瞬その選択も悪くない今日の自分を作ってきたから
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通院の我を待ち居る虫の音の清けし音色に灯りを消しぬ
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残暑の小休止の雨天 温もりを求め 我が胡座あぐらに乗る愛猫
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早朝の 九月の風に 秋見つけ 虫の響き ホッとひと息
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筋肉の一束ごとに溜めこんだ 夏の疲れが身体を縛る
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雨降れば夜は寒くて寒ければまた冬が来る胃が重くなる
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酒で潰れた黎明のさなぎに朝ごはんだよ、と囁く仕事
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明けきらぬ 黎明の空茜雲 過ぎゆく夏に蝉しきり鳴く 
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あさぼらけ冷え込みだけはこんなにも 予報の真夏日、秋めいている
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おにぎりを ほおばりながら 草の上  雲のかたちで 笑い転げる
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飲みつぶれ あいつは久喜まで運ばれて 照れた笑顔も埃を被り
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両国を恋しく思う 通過駅 乗り過ごしたと勘違いして
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翌朝に後悔するほど飲みたいの それが金曜週末エンドの始まり
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「ルームシェア物件をお探しですか?」「いえ、男2人で住みたいんです」
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本日の手紙は東京都中野区の星の見えないアパートからです
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台風が過ぎ去るあとの静けさは電池の切れたスマホに似てる
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放っとけば勝手に荒れて怪のものが住むかと思う物置怖い
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虫の音と涼しい風で秋なのかまた明日からは夏なのか
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「汗なんて年を取ったらかかないよ」子供のような理屈覚えた
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婆ちゃんは生活保護を受ける身の誇れる事を「節制」と言う
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