帰り道ため息交じりで空見ると、頑張ったねと淡い夕焼け
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とりとめ無き 姉との語らい 知らぬ間に少女の頃のふたりに戻りて
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最終の新幹線を見送って濃い闇広がる小田原の夜
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憂いなしと請負う人よ勇ましき言葉に日々吾が憂いは増して
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休日の雑事済ませて午後三時あとはほろ酔い思いのままに
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揚がらない凧に集まる眼差しは僕ももらった母の眼差し
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ホットレモン いつもより酸を 噛み締める きっと冷めすぎた 好きのせいかな
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見殺しぬわが獨裁の尖兵も靑少年も祖國も振る襤褸の旗
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われはきさまが朋なるゆゑ白骨街道に敷かるを指揮せる
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動員へ傾る水晶前夜ナツィストへ語る未來に虐殺の譽
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ナチス廣報戰略大臣ヨゼフ・ゲッベルスの群柏の拍手
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美しき清き臣民にメシアのごと宰相の攣れるほほゑみ
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過ちを 繰り返すがは 世のならひ ならばふたたび 戦(いくさ)にならむ
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ガジュマルの 横にムスカリ 顔を出し 寒い中にも 春の香ふわり
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大量の 漫画読み終え メルカリに 倍の値段で 売り払ったろ(๑⊙ლ⊙)ぷ
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ドアを押す音に何度も振り返る 丸テーブルを半分空けて
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一瞬の会話で揺らす朝の箱「寒いですね」を5階へ運ぶ
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あたたかく柔くふくれる子の頬が 笑みをたたえる平らかな朝/ママ戦争止めてくるわ
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演説は 得意なんです 「神」だから 僕の意見に 「賛成」します?
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何が嘘、何がホントか分からない 政治家・国も人もこの世も
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絵のタッチ 好きな絵師に似せたのに、なぜか違和感AIイラスト
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加湿器の蒸気 外に降る雪  上へ下へのリズムが 心地いい
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出かけよう 冬のトンネル 抜けたら君と 「菜の花列車」揺られ春の旅
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「親」という役を降りない母と飲むクラフトビールの苦い延長
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代役は良いチャンスだと言われても飛躍するのはわたし以外で
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苦しみが「殺したい」でなく「死にたい」になる君の其の、ぐらぐらが好き
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父の歳追ひこす春の来むとする 遺せる文字の飛龍のごとき
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そうですよ、桜なんです。一月の、恋に浮かれる貴方の笑みは
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未来より今の自分を保全する いつの間にやら陥る老醜
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戦争を知らずに育った老人は 盾持つことも恐れて逃げる
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