ジャガイモに気付けば若芽生えていて僕らはきっと終わりなんだな (アジカンのソラニンを聴いて)
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ハイライトブルーが宇宙そらに溶け込んで僕は昨日の君を見つけた
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高速のトイレ休憩置き去りに 修学旅行が一人始まる
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真っ暗な見えない檻の中にいて出口を探す「明」を求めて
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鬼母の酷い言葉が今もなお脳の一部を切り刻むんだ
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思ってもいない言葉を言いすぎて自分に嘘をついてばかりで
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キンキンとドライアイスに包まれし母眠りおり炎天の底 / 去年の夏、覚悟してました
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僕たちの夏の終わりの窓外はゴッホの油彩みたいな景色
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二歳児が、外の赤ちゃん心配して、持ってるシールを見せに行く
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ふと気づき 十万本の秋桜の 日程しらべ 手帳をひらく
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カップルが 闊歩する街で ただひとり トートバッグと 腕組むわたし
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おもいでを買いに来ました笑顔とかパンケーキ屋の待ち時間とか
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自魚を フライと刺身 で味わいて 漁港とカモメ 眺めし昼餉
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こすもすを「みにきたんです」「そこどいて」鳥しか見えぬ かめらのやつら
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突然に赤と白とが並び咲く彼岸の時をしばし遅れて
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昨日の日もさようならブラインド越しに知らぬ二人がくるっと踊る
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波呑まれ骸になりし青鳩を食む烏鳶 いのちつながん
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朝目覚めいつもの姿家を出る 吹く風冷える秋の訪れ
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長月ももう終わりかと溜め息ひとつ ふうっとめくるごみカレンダー
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無造作に線引くように縦と横電線走る何描き上げる
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赤とんぼ陽を弾いては右左上へ下へとキラキラと群れ
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あと少し器がでかければきっと傷つけないし傷つかないのに
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何もかも いっとき放り出し 眠れ まずは自分ワタシが 元気でないと>遠隔介護なりのしんどさ( もどかしさ?)
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送信の勇気出ぬまま 下書きのフォルダでカビの生えてるメール
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晴天だ晴れたら出来ると待ちながらいざとなったらほとんど出来ない
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閑寂の空き家に『売地』の幟旗のぼりばた 風なき朝にきいきいと鳴く
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雨の音さえも君にはメロディーに聞こえるんだね その耳貸して
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躓いたっていいじゃないかだってだってホモサピエンスなんだもの
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九月の終わりに通り過ぎた彼岸花を横目に再度振り向く
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よく噛んで食べなさいねと ねこに言い いい音だねぇと ほめて育てる/なんとなく再掲
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