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朝目覚めいつもの姿家を出る 吹く風冷える秋の訪れ
8
長月ももう終わりかと溜め息ひとつ ふうっとめくるごみカレンダー
24
無造作に線引くように縦と横電線走る何描き上げる
19
赤とんぼ陽を弾いては右左上へ下へとキラキラと群れ
21
あと少し器がでかければきっと傷つけないし傷つかないのに
13
何もかも いっとき放り出し 眠れ まずは
自分
(
ワタシ
)
が 元気でないと>遠隔介護なりのしんどさ( もどかしさ?)
20
送信の勇気出ぬまま 下書きのフォルダでカビの生えてるメール
26
晴天だ晴れたら出来ると待ちながらいざとなったらほとんど出来ない
28
閑寂の空き家に『売地』の
幟旗
(
のぼりばた
)
風なき朝にきいきいと鳴く
13
雨の音さえも君にはメロディーに聞こえるんだね その耳貸して
17
躓いたっていいじゃないかだってだってホモサピエンスなんだもの
9
九月の終わりに通り過ぎた彼岸花を横目に再度振り向く
11
よく噛んで食べなさいねと ねこに言い いい音だねぇと ほめて育てる/なんとなく再掲
21
街路樹が 色づき始め 長月末 教会の前には キバナコスモス
24
三期まで五年空いたアニメの二期最終回みたいに本日晴れ
7
ぬるい湯に全身ほどけて溶け出しぬ今日一日の心の痛みも
25
風そよぐ長月
晦日
(
みそか
)
誕生日 庭に紅白の彼岸花咲く
16
丁寧な暮らしをしてる気になった 湯気立ちのぼる鯖の塩焼き
22
片目開け 片目を閉じて 繰り返す やっぱ現実 視野が欠けてる
5
幸せが ネットの上に ある限り 生きているとは 到底言えぬ
5
降らさうか 迷ひ
倦
(
あぐ
)
ねし雨雲のため息なのか 秋の涼風
46
地の上で 這いつくばって 生き続け 神の憐れみ すがる身の上
5
小川から バケツ二つで 水運ぶ 緑内障が 悪くなるじゃん
3
秋なのに 未だもくもく 夏の空 水を切られて 雨を待つのみ
6
アイライン滲む本日の天気予報 水は溢れる寸前で
7
また一人 昭和の
爺
(
じい
)
が 亡くなって 透明感が 増す秋の空
44
空を見て少しだけ息苦しいのは エラ呼吸だった頃の名残り
9
永遠は想うときのみそこにあるらしいねぼくらは花火になろう
8
皮膚を突く針の鋭さ思い出し 止血シールが剥がせずにいる
11
塗りかけじゃなく剥がれかけのネイルでも生肉よりは少し可愛い
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