生き延びるのでは足りない暮らしたいそう思うことかつてないこと
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うっかりと階段途中落ちたのはハンドクリームフェアリーベリー
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顔洗い髪を整え紅をひく 社会人じょうしきじんへと変身完了
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朝ぼらけ 差す陽を覆う毛布にて 天は墨色 やみは続きて
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枕辺にその時立っててほしいのはなんだかんだで諧謔の神
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掴む手で揃えて挟んで架ける橋 家族麻雀いまは姪まで
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北風の凍てつく寒さ身に沁みて家族で囲む湯気の恋しき
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君の眼鏡で覗いても地獄は地獄のままで僕は僕のまま
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何作ろ 週一のご一緒夕餉 夫はワクワク 私はソワソワ
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めずらしく 吹雪いてる日の 信号待ち ちょっとだけの 精神修行
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紙コップ毒であれよと水を飲む常敗の世の一縷の望み
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せっせっと低い踏み台作ったよ 落ちた筋力取り戻すのだ!/無理はしない
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オーサカに雪が舞ってる嫁入りはキツネじゃなくてモズなんかなぁ
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一番の あそびは学び の声しびれ 我は学べる ことに感謝のみ
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一限目 ものさしに触れ 身震いす
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手を取らる仲睦まじきふたりなり 「ではなく呆け」と宣りし連れ合い
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なにがしの とはずがたりに 二条城 深き草原 あさましくなる
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またいつか 別れた後の 缶温し
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しなあらず きょうの都は 閑古鳥 うそぶく者は ひのもとあげる
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たかいちに しなもあがらず ぼた餅か 棚から出でず 米といふのは
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雪積もり 踏みしめる音 片栗粉
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死角から 忍ぶナイフに血飛沫に 心休まる時は何処へ/映画『デストイレ』
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たった今 Bluetoothで ペアリング 去年の記憶を 君が再生
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魂はもうぼろぼろなのに それらしき服と声と笑みをまとう
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忘れてた 言葉をキミが レンチンし 去年の夏が 今夜のごはん
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感性の 鐘が鳴らねば 一句とも できぬ短歌の 恐ろしさかな
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雪かきの苦労なき冬 後にした町より届く雪の風景
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いい歌をつくり作ったその手柄誰かに取られクソ炎上
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簡単にクレゲで獲ったぬいよりも掴みきれないわたしのハート
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灼と冷 超えしその先 名は消えて 汗に流れし ただ在る自分
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