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じっと耳すませ 聴いてごらん 彼方から東風(こちかぜ)吹いて 春連れてくる
16
「本当に好きなんですか?」時雨降る「それってただの同居人じゃん」
6
もの言はず追ひ越してゆく息子の背ほのと匂ひて犬見まはせり
25
隣人の訃報知らせるドアホンのひそやかに鳴り 春待つ夕べ
23
正月の飾り片付け空いた場所 ちさき雛人形 ちょこんと鎮座す
19
十三時過ぎて出られぬ布と布の間たまる重いぬくもり
8
「冬が好きなんです冬に死んだから」夏に死ぬのも悪くはないよ
9
樹木にも 変声期あり 春夏秋冬この地球(ほし)の歌奏でおり
15
影伸びて 光たる街 目を細め 陽射し背に受け 本を読みたり
10
去年より早く減っていくバスソルトの分だけ彼が暖かくなる
8
姫は抱く傷をおいたる剣闘士 二人の肩に祝福の音を #りくりゅう
11
あと
一日
(
ひとひ
)
辛抱せよと 如月の寒波を越ゆる
毛糸
(
ニット
)
と共に
36
夏が来る捨ててあるような室外機 衣干すてふ 天の香具山 /持統天皇 2/100
10
靴箱を 整理しスキマ 作ったら 空いた空間 心のゆとり
30
頭がね珈琲飲んでズキンとね浮かんできたねピンピンコロリ
9
子育ては ハラスメントに 似たるもの 受け手が決める 愛の正しさ
22
寒九雨
(
かんくあめ
)
此花
(
このはな
)
散らし
香誘
(
こうさそ
)
う 濡れたる
幹
(
みき
)
に 触れる
掌
(
てのひら
)
17
吾を見つけ鴉寄り来る庭の隅「これはないしょ」とパンを分け合う
45
みかん食べ 手を洗ってから ねこ撫でる みかんのかわはね ねこにはだめニャ
22
一周忌の 積み団子を 丸めつつ 君の生きたき 時を想えり
19
白内の手術を得れば明け暮れの皺のひとつの霽れに見えたり
19
夜だけの日に一度から
朝夜
(
あさよる
)
へ飲み始めました花粉症薬
25
カフェオレと ランチパックのピーナッツ ランチパックたまごの無い朝
20
「シンボルの 小さくなりし 副作用?」 医師否定して 恥かいただけ
5
若きママ 携帯失くし あせり顔 幼子ふたりの 「ありがとう」沁み
15
福豆の礼を装い手づからの小さき箱のチョコを呉れにき
7
男にも女にもあるXの染色体を汝(な)は二つ持つ
5
一煎目は君 ニ煎目はわれ ティーバッグ 一つをいつも分けて飲みにき
7
恋心鎮め難かる夕暮れはスペアミントの茶を飲みにけり
13
逢いたさに妹がり行けどわが心千々に乱れて行きつ戻りつ
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