たわわなる薄紅うすべにの果実摘み取りて 口いっぱいの あまきさくらんぼ
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一枚の葉の透過光われが見る時に反射光見る君は見えず
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外人の老人のせいあいつのせい 美しい国自己責任省
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草退治 お困りの様 老夫婦「ついでだから😊」と 嘘ついて刈る
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油彩画の黄色の筆先とても良い光あれって神さまみたいで
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二郎ラーメン ストロングゼロで流し込む 下人の行方は誰も知らない
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軍事費を 他の何かに 使ったら 大概のこと 片付くかもね
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午後5時を告げるチャイムに腹が鳴り配食を待つパブロフの人
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軒先に 仲良しつがい 巣を作る そっと見守る 水無月の午後
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待ち合わせ、勉強、パソコン、暇つぶし ブレンドしてご提供します
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この道を九日くらいまっすぐに行けばおそらく私の故郷
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健康といいわけつける散歩道行き着く先は馴染みの定食
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ロケットのニュースを君が知らないとアメーバ消える西荻窪
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どこかしらいたいけないね土足にて踏みつけられた名刺の僕は
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素粒子が人間にまで進化して 素粒子の意味考えている
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雨雪が地上に落ちるのではなく世界が空に上がっているのだ
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水無月の 帰り支度の 更衣室 汗拭きシートの 匂いに咽せる
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初夏にまだ聴こえる不器用なホケキョウに我が身重ねてハイタッチしたい
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一歩ずつ湿度染み込むウォーキング道草うれしスーパーでホッ
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仲良くね 一にも二にも 幸せは 平和の裡に 築かれるもの
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梅雨入りを 目前にして 気がはやる メロンの移植 そろそろやっぺ
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保育士が 会場狭しと 集まりて 包括的な セクシュアリティ
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館長に 思いのたけを ぶつけても さらりとかわす 仕方ないよね
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外人が 隣に座り 黙ってる 片言英語 わからないよね
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懐かしき 市民ホールの 駐車場 君は今頃 どうしているか
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老人が 畑に通う 理由とは 人に嫌われ 心を癒す
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栄光を 求めて駆ける イカロスも 日に近づきて 炎に焼かれ
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一口に 愚痴と言っても 情けない 悲しいほどの 現実描写
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小汚い アパートメントに 住み続け 心も萎える 老いも深まり
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近頃はひとりを好む私だが君の「みんなで」には敵わない
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