久々に歩いてみれば雑草が棲み分けている 耕作放棄地
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来年のツツジを咲かす養分となりうずもれる放置自転車
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知っているだから中身は見たくない玉手箱より怖い引き出し
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片付けを始めるための儀式あり先ず中の物全て出しませ
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片付けは方を付けるが語源らしい。指先よりも手を動かせな
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数独を実家のリビング寝ころんで解く休日もそろそろ終わりで
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旅程表あっという間に消化してあとから旅情が追いついてくる
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諍いの朝の無言の送り出し「おかえり」までの時間が長い
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オルガンが色づく埃音はなく匂いの山で世界を奏でる
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コンビニに並んだ余命数刻の業を背負った人々の影
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梅雨空にすべきことなしペンを持ち無料タダの楽しみ歌を詠むかな
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エリザベスカラーの貫禄老い猫よ齢は優に十五越えて
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幼き日海の日山の日まだなくて 今は三百六十五連休/今年は三百六十六
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盆踊り・屋台も海も みんな好き けど泳ぎにはもう行かぬかも>海の日
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湯水よりたくさん欲しい限りなくあなたの愛を永遠にして
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スキップ を したい気持ちを 押さえつつ ニヤけ止まらず 面談帰り
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皿の端噛み跡残ったピザの耳 オマエも選んでもらえなかったんだね
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皿の端噛み跡残ったピザの耳オマエも傷だけ残されたんだね
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バカな振りしてれば良かったのですか? せめて叩かれませんでしたか? /「幼少」
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お金とか友とか犬とか兎とか 負い目が私を縫い留めている
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あまいもの 十時と三時 そして夜 はフリータイム おやつの時間
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雨あがり 空を見上げて 歩く子は なないろ探しの 冒険へ行く
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傘をさし子ども縁日楽しんだ子の枕元青いヨーヨー
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雨の下小さな太陽顔を出す蕾開いた向日葵ひとつ
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夏だからあなたに会いに行きたいのなんて嘘つきいつも想ってる
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iPhoneが持てないくらい熱くなる 机に置いてそれでも使う
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猫避けのペットボトルを避けながら 家に入って行く人を見る
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大根を擦りゆくたびに棘近し 血の混じりたるおろしは嫌ぞ
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里帰り して来る子らに食べさせむと 今日も詰め込む 冷凍庫の中
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大根をおろす金棘かなとげあな怖し いつしか俺の仕事となりぬ
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