お日様の匂いの吾子が鼻寄せて「ばあちゃんちょうちょの匂いがするわ」
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歳経ても 中身はいまだ 変われずに 真の大人に いつかなれるや
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心から 納得できぬ あれこれを 水に流せず トイレに流す
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なんてこと ない一日に なったけど この日常が 続くようにと
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このところ会わないご夫婦元気かな 知らず知らずに目が行くベランダ
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いくつかの小さな「嬉しい」かき集め 良い日だったと眺める夕焼け
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正直な私の心は夜行性 夢でもさがすどんだけ好きよ
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連休前目当ての君は見つからぬ 自由で苦しい始まりの予感
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さようなら 記憶はすべてシュレディンガー 秘密と呼ばれたすべての無意味
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辞書を繰り『結婚』の横に『血痕』があると嗤った君の深淵
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花言葉 手前の本には『親愛』と あるけど隠れた本には『憎悪』
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連休も 一日だけの滞在に 心をこめて おかえりなさい
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行楽の様子をニュースで見るにつけ 自分の道の間違いを知る
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幸せを交通事故が一瞬のあゝに妻もうALSに
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仕事の刺激物足りずまた転職は天職ならずずっと自棄酒
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高齢を賃貸大家入居拒否する大雨に探し続ける
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不振新フォーム習得道半ば考え過ぎになる危機の今
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訳もなく帰省するのも照れくさい 駅のホームでちょっと躊躇う 
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ヤマザキのアップルパイの端かじり 3センチぐらい りんごに届かず(涙)
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この所シフォンケーキが底上げでシークレットな見えない何か
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久々に上野浅草出てみれば 人は多様化 値は高価格化
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肩書きが無いまま三十路になだれ込み このままいくか何も無い人
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ふるさとの氏神の祭り思い出す 今日の夕餉は たけのこご飯
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遊び食べ激しい一歳シミ作る リビングの壁と母の心に
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青空に手を上げ進む小学生 車見守る横断歩道
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妄執の我が我追ふ黒き森 指に触れては消ゆ ダフネの座
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祝日のショッピングモ|ルもしかしてキミに似たヒト見てはタメイキ
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『拙てふも舞ふにことはり求めざる いましが舞ふに 何ぞことはり
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芽の絶えた 行く手阻かる 根の目には 私の歩いた 道の足跡
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みちゆきに同行どうぎやうの人なかりせば おのつひさへいかで知るらむ
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