眠られぬ身の置き場なき苦しみに鎮痛の難きを思ひ知らせらる
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アゲハ舞う柘植つげの葉陰にうごめくはあな珍しやみどりのさなぎ
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おこられた次の日の朝5時窓辺 呼吸は深い青色になる
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また私!? 今月何回 取り替えた 当たりかハズレか BOXティッシュティッシュ最後の1枚ラスト
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予報見て雨模様かと空仰ぐ 琵琶湖旅行にいざ参らん
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引き裂かることとも知らず母さまも早くお乗りと明石姫君/『源氏物語』の明石姫君を詠む
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くれない末摘花すえつむはなの面影に秘めたる誠なお色褪せず/『源氏物語』の末摘花を詠む
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真夜中に 遠くに聞こえし 汽車の音 目蓋を閉じれば 夢見る旅路
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老いて今 秋空の下 興じるは 腕に覚えし グランドゴルフ
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三日月が 日に日に太る 姿見て もうすぐ十五夜 秋は深まる
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本質の外周なぞる綺麗歌きれいうた味付け軽めみなの口合う
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歳なのか 転んだ時の 傷よりも 時間差でくる 内部ダメージ
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発つ逃げる避ける遠のく震えてる太宰と三島で基礎工事した
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誠実に生きても誰かに嫌われる だったら今のままでレッツゴー
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私には親の資格はありますか?ウスネオイデスまた招き入れ
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「もしもーし そろそろ出番来てますよ!」 耳が遠いか 秋、無反応
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おばさんは赤ちゃん肌になりたいと淀んだ瞳が少しせつない
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使い捨ての俺が生きてる 意味は何? 置かれた場所で 咲き誇るだけ
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日本語は下へ左へ流れるし過去にさかのぼる気がするうちから今が遠く
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かりんとう どうぶつヨーチ ミニドーナツ ふがし マシュマロ かんてんゼリー 
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「あの鳥はなんて言うの」と飛行機を指さす先に見えてる宇宙
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盗られたくないけど大事に出来なくて あの宝箱から異臭がする
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夏しぶとい 秋少しだけ 冬寒い 春は短し恋せよ男子。
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線路は続くよ 続いてみせろよ 先で待つ夢が俺のこと待ちくたびれてる
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出ていった君の言葉を想いつつ一人前の味噌汁つくる
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「頑張ってね!」ってキミの文字無理してるのはきっとキミの方なんだ
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あの頃は 同類と思ひし 我が友よ 君には恋人 我は春なし?
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秋の風 ちょっと感じた 気はするが 多分気のせい 暑さのせいかな
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君となら終わらない夏 繰り返す同じ時間に閉じ込められたい
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都会と破壊のシンフォニー交響曲 この世は憧れを連なってできている
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