屋上でなけなしの火を灯しては一口ずつの罪を味わう
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お別れをしたくないから切り分ける角度鋭くなるパンケーキ
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下校途中の軒下で雨宿り 君走り寄るドラマみたいに
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爬行した 舌の軌跡が 渇きだし 湧く匂いをも 愛せればこそ
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食べたいと 言って寝転ぶ マイ仏陀 供えるラーメン 湯気は線香
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鳴る電話 騒ぐ心と 震える手 違う人から 願うもやはり
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目の前の 眼の奥に見る 不信感 吐く言の葉は 嘘の優しさ
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想うのは 他のだれかと 笑うきみ そんな資格は 無いと知りつつ
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遠足でお菓子のかえっこ わらしべ長者みたいで食べる暇もない
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夕焼けの側溝越しに褪せた椅子 先発憂う木々のさざめき
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突然の雨も満更悪くない君も一緒に足止めさせて
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独り身で寂しくないのと訊かれてもこの静寂を手放せなくて
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いちぺーじ まるごと選び マックにて 音読させる 聞くだけじゃ 意味不。
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エブエブにくらって啜るレモンサワー感想をぶつけ合ったら動く始発
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春風が 吹く十年の 時流れ 幼馴染の 早き死を悔う
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ジィジィが いったときから ひとみれば いきてるかばね こいせよおとめ(吉井勇)
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紅殻をべたりと付けたベテランはベサメ・ムーチョを別室で聴く
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うなりあげ風がうるさく騒ぐなか買い出しに行く5%オフ
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「痛タタタタ!」「北斗の拳やん(笑)」ねえきみよ私の痛みを笑わんでくれ
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よく寝ると悪夢を見るけどその代わり好きだった人に必ず出会う
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とたん屋根叩く雨音落つ雫 かなでるリズム しずまるココロ
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雨に咲き雨に失う色だろうあの花の知る儚さとは(現実の花)
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空の果て無数の星が瞬くように未完成な物語を信じる
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だれもみな 命をかけて 生きている それはそうだわ 産まれてきたから / 夢路
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久しぶり 八人分の 夕飯は 大変なれど 疲労に酔う夜
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最後までチョコたっぷりって最高じゃん 甘くていいからそうでありたい
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孫娘 ベランダ野菜 興味持ち 育つ喜び 分かつ友増え
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アクセルを踏みかけた足に反省と踏みつけてより加速する俺
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連休に遊び過ぎてはいけないと告げてるような初日の大雨
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映画館の明かりが消えて無重力 みんな浮かんでみんなひとり・
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