花泳ぐ空の青さの取り残り飛ぶはからすか夏が近づく
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言葉にすればあっという間のことで 片割れの雫 二つで心に
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他人事の「心中お察しします」って「お似合いです」より嘘くさいよね。
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タイムマシン、二十歳の母に会わせてよ。少しばかりは役に立てるよ。
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首吊りのロープも買えず飛び降りるビルさえ無いから自然死を待つ
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若草の 山は緑に 萌出もえいでて 鹿は招くよ 御仏もまた
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雨の中傘し火をつけ温まり君は薪焚べずに旅立てり
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名にし負う象牙の塔より野に出でてつらき人の世一人背に負う
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後味の悪い短編読んだのでアイスを食べて口直しとす
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ヴァニタスを撥ねつけるような新緑に陽光は降る明日もきっと
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過ちを隠し正しさ振り回すそんな資格は俺にはないよ
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晩春の雨降り夜は冷えるからお浸しやめてスープにしよう
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静寂の壁を隔ててきく音は誹謗ではなく蟲ののたうつ
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ママチャリを通学で乗る姿見てアイツはきっと良いママになる
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母校にて進路の決まった後輩に お疲れさまと心から祝う
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昨日吐いた錠剤の欠片拾って朝が来たからダメだと捨てる
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かき混ぜて流しこむときじゆわわわとかなしき音を立ててかたまる
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禿げかたの美しいひとにあこがれる たとへばゲオルク・ショルティのやうな
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ぬばたまのロザリオたぐる毎日のいのりこそわがささげものなれ
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花びらに十重とへ二十重はたへにつつまれて薔薇のしとねのなかのまどろみ
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雨あがり葉末に銀のしづくして野辺のみどりぞ色まさりける
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カレー屋が去った跡地にまたカレー自信あるのか?心配になる
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無理に着てボタンが飛んだ試着品そっと戻して何食わぬ顔
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「傘がないなら一緒にウチ寄ってく?」ペトリコールが立ち上る中
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金沢で修学旅行の子ども見ゆ 加賀の国の 都へようこそ
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ひとびとは目先の利益に目を取られ かけがえのないものを捨てゆく
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することがあるのもないのも困りもの だってわたしは気まぐれだから
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愛情やことばのやりとりするときは あなたとわたし どちらも大事に
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偶然に出会って始めた短歌うただけど 今は私の生きるかてとなる
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キャラ減らしテーマ一新リストラの成功例だ機関車トーマス
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