ひさびさに 明るい花壇をまじまじと 薄いブルーの小さき花よ
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美容院いくとき お洒落したくなる だけども抑えて いつもの雰囲気デニム
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薫風に隣家で はためく鯉のぼり 吾に真鯉はまだ見つからずや
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悲しみが桜の波にさらわれて真っ青な空 短歌にしよう
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見上げれば 雲一つない 青い空 顔を下ろすと 残雪の山
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晴れたけど 今日はお家に こもりたい 自分暴走 手綱がきかぬ
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脳裏から家のあれこれ拭い去り 今日は孫守り 集中集中
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ハチ駆除者が始球式投げるアメリカのセンスが流石ただただ流石
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まぶしくて広げる5月これでもう片手はいつも日傘と手つなぎ
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傘閉じて袖を濡らしてふと見ると、水玉模様にひんやりしてて
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相合で惚れてるほうが濡れるなら、傘を閉じよう二人で濡れよう
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チャック付きビニール袋をひと息に閉められる日がいつか来るかな
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晴れたものの ねこはベッドと箱にこもり まだ目が覚めていないと見ゆる
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記念日の直前くらい 美容院 渋らずウキウキ行こうぜ自分
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敬老パスなるもの届く いよいよに 嬉しさ寂しさ しばし見つめる
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走るたび黄砂集める車には夏物と愛。父が明日来る
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あの言葉 忘れないでね いつまでも 降る雨のよう に降らせるから
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通勤の電車に揺られ眠る君 推し測るニホンに馴染んだ歳月
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野性味が 溢るる蜂の ひとしずく その労思い 蜜をいただく
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君はナスの天ぷらが食べたいと言った そうだね、と国道を走る
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自販機の缶コーヒーに手を伸ばしボタンに触れてから気づく つめたい
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やうやうと 白くなりゆく 山際に  妬けて夢して 友なら無国なくに
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結わんとて 今日も平気は あるものを  目に咲たるは 紫陽花の露
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不可算の地層のようにかさなったことばを絶えずめくるゆびさき
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冬越えて 半年振りの 土いじり 鼻抜ける風 大地の香り
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満月のうらがわにいるきみだけが届く星座で描くものがたり
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屋久島行き フェリーの長き四時間は 悠久杉の刹那の一欠片ひとかけ
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若き頃純粋過ぎたこの気持ち 怖いものなど何もなかった
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苦しくてつらい気持ちも湧いてくる 想う気持ちが増せば増すほど
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交渉の行方は依然不透明結果よ早く笑えたらいい
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