ピンク色の肺の機能を知る女医は黙って祖母の瞳見つめて
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アダーラ あの日からぼくはぼくでなくあなたはあなたのまま生きてる
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イヤフォンをそっと耳にかけてくれた 嫌な言葉は音が壊した
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ニュースでは支援疲れが言われるがあってはならぬウクライナには
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今はまだ この思いには名前なく 子猫のようにじゃれ合いたい
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「彼女できたら行くんだ」と息巻いた海沿いのカフェ  まさかの閉店
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今更にゆめをみている ぼくたちの絶対的なアイドルたちに
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愛語る甘い唇 残るのはマルボロ味の苦い思い出
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薄情ね 思い出せない キミの顔 ワンピースかけた 未完成パズル
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ごはんだよ寝ぼけ眼で箸二膳並べるきみたくさん食べてね
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体から脂肪全てデトックス ホラーマンには遠く及ばぬ
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真面目に生きると損をするから いつのまにかほどほどに生きている つまらなくなったなぁ
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すべてからあなたのことをデトックス プロローグからやり直しましょ
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なれるなら なってみたいわ 今、ゴルゴ いいのかそれで いいのよそれで
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くすぶった 怒りのマグマ 到達点 誰か私に お冷や下さい
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亡き人と暗き道にて語り合う夢から覚めて涙に気づく
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雪が降り 余計なものも 見えなくて 真っ白なまま 春、迎えたい
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二週間前、初めて娘を叱った日父に似ているだんまり通し
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何もいいことがないから 今日も一杯忘れるために飲む
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わがままな かれがとにかく だいすきで あまやかしすぎ わかってるけど
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ごちそうは主役が決める誕生の 肉食女子は五歳になりぬ
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児童書のミヒャエル・エンデ著『モモ』を読みスマホが時間泥棒と気づく
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DAMチャンネルだけが響く狭い部屋 クリームソーダと気まずさを飲む
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伏す我に友はメールで知らせたり 水墨画に似て今宵の月は
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ラーメン屋床がベタベタしてないとラーメン気持ち美味しく感じる
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遠い地で同じ夜空を見上げてる 今年一番小さい満月
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凪ぎきった海路はもはや終端でもうすぐ水平線は途切れる
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また来るね 長女猫あのこの写真にいつもキス 夢で逢いたし 吐息つき願う
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かけまくも あやにかしこ宸襟しんきんを くだきたまへり能登の生活たづき
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ただいまよ よいこにしてたか わが猫たち ちゅーるももらって ゴキゲンまんぞく
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