気のはやいハエではなくて虻らしい刺すけどこいつ今は放っとく
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日常という戦場を生きるため我が信念よ火の槍となれ
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運命は白馬に乗ってるわけじゃない 落ちて始まる恋がある
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冷蔵庫の 中は世間の 縮図です 期限切れと 不用品の山
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明け方に 水を静かに飲む君の 喉のうなりは 耳に優しい
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やさしさの手持ちが足りないので今日は  仕入先行って直帰します
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野の花を 手折るは心 無き人か 或いは花への 偏愛ゆえか
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再会は思ってたより早かった 右足薬指の魚の目
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ノーアウト満塁からのサヨウナラ さらわれてゆく足音までも / ハム
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まちわびていたはずだけど何がしたいんだったっけ、金曜夜に
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別れ際、泣けない君が笑ってる。ほっぺにできたシワが言ってる
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愛がわからないと言うから 君のそれを愛としよう 今夜は
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歌知りて 後の世界が 広がりぬ 凄いぞたった 31字の世界
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寝付けずに深夜のテレビ眺めてる犬も食わない摩擦起きた日
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同胞と揃って続く老い談義午後の陽射しのぬくぬくとして
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いまは夏医師に聞かれて言う母の七重八重などそら で山吹
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あれは何あれなんの花聞く母に毎日教え連翹黄色
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そもそもさ誰もお前を知らないよ慰め方にもいろいろあるね
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もう二度と星も降らない夜の底 くちづけひとつさよならふたつ
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好きだって 言ったら君は困るかな 友達のまま もう一年半
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最初から勝ち目ない事わかってた。アイツ君の好きな人と僕は真逆だから。
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好き嫌い花占いは役立たず嫌いはいつも首の皮一枚
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柔らかな頬がおちたらどうしよう 艶めく汗はためておくから
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他人ひとはみな美しいように感じます。さわればバチがあたるくらいに
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結晶の獣どもをけしかけて形式美など蹴散らしてゆけ
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やさしくて清い人から辞めていく場所にひとりで残されている
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人間はパンによってのみ生きるのか? 味のしないそれを口に含んで
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真空のタンブラーは結露しないぶん「冷たそうさ」が目減りしている
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懸賞でホットプレート当たってて今年の運を使い切る(名糖さんありがとう)
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キッチンは高き日入らず苦瓜の青白きわたひとり刮げる
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