本読んで続き気になる夜だけど今日は寝よう明日が来るから
16
この星の どこか遠くに いないかと 我と同志を 分かち合えるひと
11
青線の珈琲カッブにフレンチプレス遠くなりけりイルドフランス
7
短歌む 思い浮かばず その時は 三十一文字みそひともじが 長く感じる
9
光さす水面輝く谷川に紅つつじ咲く大岳の里
15
楽しげな子らの声きく朝の空見上げ我が子の明日をおもう
11
転んでもケガの無いよう歩き出す。ならば歩き出すなと言われる
16
人の目は欠点ばかり見つけがち君の伸びしろ私は見える
24
おろかなり たまご四つにマヨネーズ お塩多めのおいしい魔法
9
目を覆い耳ふさぎ込み遮断するそれでも響くくぐもる鼓動
6
人生の今まで出会った喜びがふと溢れたいそうでありたい
8
部屋に射す朝の光は目ではなく強く心に切り口を刺す
5
空の海 魚の腹を見上げてる 命のうねり星の赤さを
5
布団射す時間がわかる陰影が寄り足していく皺が波打つ
6
わたしのことなんて全然好きじゃないこと、わかってるよ 好きだから
7
さくら舞い ながれる春の いとしさよ 行きたいところ ぜんぶに行こう
13
まだ枯れぬ 嗚咽する母を ねこたちが 心配そうに まるいおめめで
12
連休だし 美味しいものが 食べたいな たっぷりの出汁で 根菜を炊く
15
十年も経っても息が苦しいよ どれほどの涙で長女猫あのこを濡らした
14
トマト缶 開けて広がる イタリアの 陽射しと想い出 頬張りながら
11
僕の夢 君が彼方へ 持ち去りし 何も無くなり 一から重ね
14
テンションが上がる宮島さんごとにビールを飲めばまるで初恋
3
夕立に 逆光のせいで よく見えない 逆によかったな 密かな思い
4
夕立に あなたの顔が 眩しくて 「よく見えないね」 微かな笑い
5
連休の青空に干すTシャツに味見をさせる今年の風を
8
「人はみな 美しいもの」と 人が言う 自画自賛とは はなはだしいと
6
嗚呼ああ今日も 人は静かに 散っていく 春の桜見る 四月の終わり
5
けして明るくはないけれど薄闇に細くかがやく蝋燭であれ
5
「生きることは食べることだよ」『食べよう!』と帰り道キミとナポリタン
7
お魚に春って書いてさわらです  春が好きなら好きだといいな
16