さつき待つ キミの柔軟剤かおりを忘れちゃうかも 忘れちゃうかもしれないよ!?
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月の夜 時間を忘れた白い蝶 揺らめく羽の眩しい輪郭
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夜の風が照葉樹林を駆け抜けて街路灯へと当たって散った
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不安定な景色を探すかのように光る瞳を覗き込んだ
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この日々を暗い映画のようにしたい例えば少し泣いてみたいね
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そわそわと君とブーケの帰宅待つ 青葉雨降る陶器婚式
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会うことの 耐えて久しく 泣く目には  お久。元気にしてた?  幼馴染
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ねこたちは お顔覆って のびーする その3秒を動画撮りたし
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知らないうちにできていた擦り傷は知らないうちに治ってほしい
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亡き友が焼いた茶碗 温もりに 包まれて飲む 朝の一杯
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天邪鬼 同じ腹から 生まれても 天と地ほど 違うよ人は
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目の奧が うずいて頭痛 ロキソニン さっきのマックは 美味かったのに
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血を流しながら座ってキーボード叩き仕事する隣の人
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暗黙の契りである様に二人とも 口にはしない『もっと早く』と
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外面そとづらが いいだけだろう 虚勢張り 手柄は総取り 嗚呼許さない
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ゴミ捨て場シールを貼られたゴミ袋水曜日の夜僕を捨てたい
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コンシーラー リキッドファンデ アイライン これで虚しさ消せると思う?
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きみに逢う前日 春色カーディガン 華やかに映る女は盗人
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憎しみを 薄める手立て 見当たらず 雨降らぬかと 空を見上げる
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左手の薬指にその目障りな銀色の輪を嵌めたのは誰だ
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歯をぶつけ 合うくちづけすら 厭わない なのにどうして どうして離れる
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本当は買ってあげたい婆婆だけど  年金暮らし 今ギリギリよ
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レビュー書けば「その調子です」とAmazonが励ましてくる ちょっと上から
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あなただけ それは嘘ではなかったの あの瞬間は そう願ってた
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身体だけぬくもりの中に置いてても何故か一人のベンチを想う
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強き風 眼を閉じ「いいね」という君のそばに居たいとただそう願う
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安い部屋 今は『あなたの私』でも 真夜の電話に怯える寂しさ
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後ろ髪… なんて間違い へばり付く 大気の中で 脚が進まぬ
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五月晴れなのにビールを飲みながら引きこもりする古希はオジサン
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「いまはまだ・・・」 恥ずかしがり屋は藤の花 香りはしても姿は見せず
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