ひとしれず 終わる命を みおくれば 辛夷こぶしの枝に 白く珠成たまな
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スマホにてベトナム人に問診する我はAI時代の医師なり
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労働も、家事も、選ばれぬ苦しみも、全部丸めてゴミ箱にポイッ
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雨はもう通り過ぎたか しんとして 車の音だけとおくに響く
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オナカスイター ねこ母をしきりにかじるので 腕には内出血の痕が(苦笑)
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いくたび待てど赤いランプは灯らない 面影を待つだけの日々
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かりとられかつて庭木だったもの 過去のわたしが頬擦りをする
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なにをしているんだ私あなたごと抱きしめられないくせに生きるな
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わたあめを撫でてるみたい らくえんのいきものであるかのようなねこ
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しあわせにできているのかわからない どう?ときいても「ナン」と鳴くきみ
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うたなんかよりもほんとは現実のねこを撫でたい 会いたいです ねこ
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アパートのシングルベッドに黒白のおさとうは居ぬ 表面張力
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貴女なら素敵な人と出会えると 貴方が良くて泣いているのに
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同じ意味 同じ表現 の言葉を 手当り次第 並べ、比べる
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電源を入れて開けずどこ触れた?偶然動き出すパソコン
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「やる気だけ!肉体改造ゼロ円よ」そもそも鍛え方を知らない
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いつだって取るに足りない自分など夜闇に紛れ溶けて消えたい
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つがいたち 輝き放つその世界 前いた場所を 遠目で見守る
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はなむけのあかしを母校の空に寄す 虹かかる空 なみだのかわり
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ひとりきり誰も知らない童話をうたう 世界の終わりにまた会いましょう
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抱きしめさせてくれる五キロの愛情にひとは猫という名前をつけた
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君としか愛し合えないわけじゃない。君が良かった、それだけなんだ。
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気がかりな ことの一つを やり終えて ホッとひと息 心穏やか
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たくさんのまだ見ぬ花があるでしょう あなたが次の春を歩く日
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街路樹のムラサキツツジほころんで待ちかねていた春の始まり
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ビアンカも フローラ選ぶ 資格ない あの頃のまま おとなになれたら
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チビ猫も「ろいず」のおはこに はいります われものなのよ だいじにしてね
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いい加減気付けよ。話したがるのは楽しいからだ。うれしいからだ。
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乾くものに水与えても涼しえぬ ああ我言えぬ 我癒えぬ
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頭鳴る 積もって積もって 雪が降る
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