この想い抱きしときはいつなのか 気づけば意識はあの人へ
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櫻花蕾も咲かず戦地まで 気づけばここは花の都
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硬筆や最初は良いが書くにつれ 手も動かず目をも惑わす
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昭和初期これほどの時代がありようか これを見て君は何を想うか
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大正やそのめいこそ短いが 無碍な時代と思うらむ
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櫻花歌えし君の短歌より 國への想い弱くなりにけり
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駅行けば選挙活動いつまでも 我はさんせい祖国を変えろ
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ブロッコリージュレは光と水の彩り 味は悲しき夢の残骸
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ぐるぐると回る日々の光ささやかに 使い切りシャンプー我を癒やす
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あの人を想って今や数か月 実るときはいつになるのかな
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ホールケーキあの日の愛のあたたかさあれが命の光となる今
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冬という常識を背負い苦しむコートをみている 半袖雨七月に
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エアコンの作動灯だけ光ってる何とも寒し吾の寝室
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目のまえの蛇口ひねれば雨が降りきゅっと閉めたら晴れる 信じる?
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日常を 羨み跡をついてくる 短き命の 蚊柱や
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塩辛い氷イチゴを特注し美味うまそうに食う客はドラキュラ
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静かなる 古びたバーで ウイスキー 琥珀色した 大人の時間
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赫か赫かと赤銅色に灼けた腕 惚れ惚れ眺む夏のナルシズム
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ぼうっとして日傘かさと間違え靴べらを手にでしことつまには内緒
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大雨に殴られ進む一歩ずつ 細き骨の柄もいちど握る
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湯に入り深く息吐き力抜け 疲れが流れる身近な極楽
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まぼろしに覆われ部屋の真ん中で誰かが僕を呼ぶのを待つ夜
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早朝の 弁当作り 忙しく「チン」したおかず 自分で出て来て!
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ゆめうつつ キャンバスへ向ける狂気は日常を濡らし
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雨上がりテールライトが映る道 きらめく赤を跳ね散らかして
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いつだって君は自由だ 頬触る足先柔く長くなる猫
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梅雨の間に 夕映えの空 茜色 昔も今も 変わらぬ空に
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風呂上がり 麦茶がぶ飲み 味が変 蕎麦つゆだった ドリフのコントか
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甘ひ香の花は散り 文月半ば 青々と育ちぬ檸檬の実
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友からの 暑中見舞いの 便りあり 向日葵の絵に 心ほころぶ
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