押し出され 突き放されて 場外へ 力士の気分 幕下以下で
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ソワソワと「手を握っていて」と頼んでは 君は人混み駆けてく祇園
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下側の手提げが駄々をこねてて、置いていくねと叫んでるセミ
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立ったまま枯れてしまったヒバの木をラオウと名付け心にきざむ
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沢山の 量は全然 食べないが 今日は1日 何か食べてる
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私には貴方しかいないのにね 貴方には他にいるのが嫌よ
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あの人の名前も呼べず漏れる息 いざと言えどもやすらふばかり
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朝露にうつりし君は尊きと あゝこの國は我の誇りなり
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あの人を想い続けて三年目 諦めどきと言われても...
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薄曇り 先の見えない暗海に 水平線を 描く灯台
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「〇〇ちゃん、明日あの子も 誘っていい?」 ごめんご飯は 美味しく食べたい
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曇ったり晴れたり雨が降ってたり天に遊ばれ散歩をせぬ今日
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ぬるい風 沖に佇む客船の ゆるやかさにふと 救われる夏
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「Eureka!」と吠えながら犬が駆けてゆく、それがすべての始まりだった
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心惹かぬ他人の恋愛番組も 横並びであーだこーだ言いながらみよう
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背徳よ流れてくれと願いつつピザのおともに黒烏龍茶
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体力は基準ぎりぎりオーケーと 施設に並ぶ筋トレマシン
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五年後の予定を信じられるならこの感情を愛だとしよう
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もうこんな!? これはジャネーの法則よ そうなんじゃねーと孫に言ふ
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湯の煙 隔てた先に 君焦る 泡なき頭 洗いしや否や
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二十円のドライヤー待てず濡れ髪で夜風受ける帰路の寂しさ
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シャワー浴びてまたシャワー浴びたしエンドレスな熱帯夜
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蚊がいるね親の会話を聞いてから君の認識「カガ」という虫
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土砂降りで裏目空振り無駄足の 営業マンにはこういう日もある
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愛してるこの一言は言えぬのに I Love You は言える気がする
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小雨など物ともせずに蝉時雨 命繋げむとぞ逞しく
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海開き待てない子らの水遊び三十二度の砂浜は熱く
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用事済み 出たらすぐさま 雨襲来 無駄な抵抗 全力ペダル
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雨の夜月の光も無い闇を切り裂き歩くただひたすらに
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その殺意かならず脳に届くようBluetoothで飛ばしてくれよ
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