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吐き出した言葉と吐き出せなかった君の知らない俺の気持ち
7
父の事故聞いて実家に舞い戻り ぽっかり空いた今年の
3
月
17
あの景色もあの味も 覚えてないのに 思い出すあの子の顔
5
写真見ても1個も覚えてないけれどあの熱だけは絶対本物
4
王道を歩んだ人馬への褒美 歓声あがりオペラスターは
6
闇の中
磯鵯
(
ひよどり
)
が啼く 街の屋根 春の夜明けを 待ち
焦
(
こ
)
がれてる
20
徒花
(
あだばな
)
は実を結ばぬが だとしても無駄ではないと僕は知ってる
10
街角の女子高生のつけまつげが受信している刹那の切なさ
5
黄水仙 ムスカリの青 西国の 国旗を思い 平和を願う
15
換気の為部屋の窓開ける 網目から覗ける8bitの碧が綺麗
4
さくら色 並びし棚見て 春を知る 義父のビールを買う日曜日
23
ピカピカの新一年生迎ふ頃満開なるや
学舎
(
まなびや
)
の桜
16
胃の中を全部ひっくり返しても 飲み込んだ言葉分からないまま
11
長旅をしてまで会いに向かいます 片道切符花束ひとつ
7
ドーナツの輪を覗いても君はなくただひたすらに日々があるだけ
10
メール便短歌形式良いのかも長いと斜め読みされるだけ
8
タヌ猫とひとつ布団を分け合ひぬ ふかふか青い上等毛布
16
スペインのまあるいお菓子ポルボロン 願いが叶うおまじない有り
7
いただいたお料理並べて 母と二人 室内お花見 さくらのクッキー
13
凭れてもいい山手のドアはなく無殺意と死に挟まれている
4
咲き始めの 桜の下の 宴でも 酔うた笑顔は 満開のよう
7
左手に繋がっている思い出が右目から流れ出す三月
6
山笑う 誰が最初に言ったのか ころころとほころぶ花見山
18
春嵐
(
はるあらし
)
去
(
い
)
ねて日影のさしぬれば 照れる
若芽
(
わかめ
)
の
競
(
きほ
)
ひては
生
(
む
)
す
5
おりづるを 久しぶりにみて 日曜に 幼き日のこと つれづれに思ふ
7
薄曇り せっかくの春 味わえぬ 日々に飽きて つくる桜餅
4
さらさらと太平洋の真ん中に繋がっている春の小川が
13
私はね 寝ても覚めても 君ばかり 君の心に 私はいない
7
朝食の窓辺に大きぼたん雪春を報せる
宙
(
そら
)
からの文
25
珈琲を 呑めば必ず 思い出す 忘れられない あなたの香り
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