旧校舎裏庭にだけ降る雨はたぶん木蓮たちの追憶
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夢ならば覚めないでほしかったなあ夢だから覚めないでほしいな
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「ぱたから」を十回言って、母に言う「ぱたから」と「じゅっかい」といい
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井戸端の うわさ話も 絶えにけり それにつけても 早期復興
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鶯の 声聞くときぞ 畑起こし それにつけても 早期復興
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「大丈夫、なんでもないよ」と羽ばたく嘘が 蝋の翼で太陽をめざす
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母のくれしベーコンを昨日のドジすら 忘れて朝に食む
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雪どけの とみに進みたる 時正かな それにつけても 早期復興
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ジェネレーションギャップをひらり飛び越えてドリフで笑う令和の子供
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探りあい、ついてはなれて またついて 気遣いtoo much 自覚しているA型の恋
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ひっそりと 早起きをして 温泉に 一人浸かりて しづかなる朝
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もう一歩前を目指した先に在る貴方の為に進み続ける
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嘆かせし藤の枝垂に涙落ち紅雨の空は我が心似て
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祝日の道着姿の親子連れ懐かしめずにざわつく心
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積載量七百五十キログラム代車四台分が適量
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積み過ぎた荷物おろせば日はのぼり半分欠けた大根の月
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切りすぎた前髪おさえ笑ってる君に吹く春白シャツなびく
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だんだんに陽射しに力加わりて野花映えさす草の青々
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人の子に この世のことを 教えれば 天は遠のき 欲望の渦
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人間は 機械にあらず さらにまた 獣にあらず 忘れぬように
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パンジーの崩れた笑顔吾に似てピエロの顔に笑いを返す 
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思いやり 愛情深い 人なんて 滅多に見ない 現代社会
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ニコニコと 楽しいことを していれば 周りもみんな ニコニコしてる
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真面目過ぎ 頑固で恐い 顔をして 周りはみんな 凍てつく寒さ
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春暁の光を浴びてあの山の向こうの山の向こうにも山
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おかげさま春が来ましたおかげさま私の家族もみな元気です
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愛のない 職場もいつか 花が咲く 春風の吹く 笑いの坩堝
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厳格に 躾けられれば 厳格な 人になるのが 通常のこと
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こうしてと こうするべきと 指図して 嫌なムードが 醸しだされる
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この人も あの人だって 其々の 理由があって 行動してる
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