白き花ひらかんとする沈丁花待ち遠しかな芳しき
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懐かしさとは去った家ではなく引き戸を押してしまう指先
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ノイキャンで耳に流せば腑に落ちて消化酵素のチェロ静かなり
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檄文の構えが効いたか俸禄ほうろくが上がり候ふ安堵されたし
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笑い声近き遠くに聴いて居る同職異夢の昼バラエティー
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優しさを少しだけ保つ如月に 害の字をまるくひらがなにする
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髪切った?サッパリしたわ春だもの海へ行きましょオープンカーで
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鼠捕りパチンッと挟むイタたたたっ青大将がやって来た!
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春雨の おぼろ霞て 山の端よ 朝の陽射すや 光こぼれる 銀嶺の嶺 光の渦に 影さえ白く
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揺るる車両 言の葉編みぬ その最中さなか 微睡まどろみて 夢に消ゆ推敲歌すいこうか
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政治家の 金の音聞こゆ 我が耳に 新しい鐘 撞きましょうか
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樹々の中「ケキョ」と一声聞こえきてひと月待てば春告げ鳥よ
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「カカカカカ!」 人笑うように 鳴くカラス 譜面起こせば みな違いたり
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放課後の紙コップから君の声こっそり「スキ」と告げる糸電話
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愛をせず されもしないから 想像するだけで済ませる暖色の家庭
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筍(たかんな)の 如くに伸びし そのかみの なべてのことの 幻に似て
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初心者は 初心者の句を選ぶとか つらつら思い 歌を見て居り /俳人協会会長 片山由美子
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どないしょ どないすべいか 方言が いくつもでても 決まらない服
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あやうさの静寂にひそむ春隣 AIといふ君の歌きく
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今日行くか 明日にするかと ぐずぐずと 決めかねている 角のバーバー
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一瞬に聞き惚る歌声 聴き込めばAIといふ なお愛おしく
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スパにでも行ってみるかと独りごつ 明るみ初めし空を見上げて
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記憶ではこんな軽口言わぬ人 増えた白髪(しらが)に思う歳月
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なんでだよ 今言わないでよって顔に 過去分詞 今も睨まれている
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雨上がり 白梅の枝 桜の裸木 何か恐竜のような
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不揃ふぞろいな個性あふれる塩鮭しおゃけの重なる切り身に当たりやはずれ
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ほうれん草はやく食べてと葉先からしおれる前に早く茹でてと
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真夜中に 腰になにかが 乗っている たぶん ちま猫ちゃんだとおもう(暗いから見えてない)
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目に見えぬ絆のあれや交わりは寄せては返す波の如くに /2月27日絆の日
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椪柑ポンカンが八つ転がる樹脂の床カビが歯を見せ椪柑ポンカンぺろり
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