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夜明け前の電車 なにから逃げてるの 太陽だけは追ってくるから
8
腹を押す医師の温もり身に沁みて眠りに落つる冬ざれの夜
38
駅裏の 薄暗い路地枯葉舞う 師走の街に一陣の風
25
六十路なる吾の通信簿 理音四 国美社が三 数体下がり二
40
最後まで 下の名前で 呼べなかった キミは俺の 所有物じゃない
4
俺という 俺は映画の 主人公 台本はない ぶっつけ本番
7
ラヴォワジエが発見するまで人間の理性と心を満たした酸素
8
消えたいと零す君にもたれてる 君が消えたら倒れてしまうよ
9
カモミール ハチミツ ミント ジャスミン 浴室の香の忙しき夜
9
お願いがふわりと消えるの知ってた? 今月末には死なせてください
6
夜の河
天
(
ソラ
)
を写して なんになる 銀河なんかに なりたいものか
6
うつくしいものを見たいと乞い願う私は醜い
貌
(
かお
)
をしている
13
一瞬の水死体になる浴槽で透明な明日を待ってみようか
8
人々が見せる脆さに似てるのは、羽虫の足か、飴の細工か
11
待ち合わせ 短く長い 五分間 同じ時間も 立場で変わる
15
後悔は醜くあがく白い灰、誰もみぬ空美しく飛べ
5
刻々と毎夕望む富士の影 彩々讃歌 座して輝き
22
雲よりも 我が家の二階 高かりし おかみさんいて おさいせんいる
15
本棚の一番上に鎮座したぺんぎんはみ出す足いとおしさ
7
ほんとはね おまえにガツン いいたいが 胸の内にて みそひともじに
22
見渡せば 勉強している友達の 意外に多いことの憂鬱
18
風呂桶を少し擦って洗ったと 威張り赦されるの小五まで /五十の大家は掃除もできぬ
18
単語帳を開く 何にも掴まらず 電車の中で大人になった
8
「キャンセル」の陰気な語感
厭
(
いと
)
わしく 「風呂スキップ」と我は言ふなり
23
忍び寄る人の憂鬱人の影ひとりじゃ生きていけないけれど
17
消えていく紅葉たちの命の火タイムリミット木枯らし吹いて
18
久しぶりに「ヒポクラテスの誓い」読み我が天職とステトを磨く
7
純情可憐な私は今日も君に会うためパフェを食べるの
10
フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
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僕が好きと言うからには僕だけに赤裸々な心を覗かせて
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