台風の雨しきるなかを求め雀チュンチュン鳴き叫びをり
16
濡れそぼる君に一つの傘開き抱き寄せる夜は「:」句点の中へ
15
大きさが 自分の顔と 変わらない うつむきかげんの 白いアナベル紫陽花
21
長袖のシャツの皺を伸ばす昼 雨の切れ間に燕羽ばたく
10
首都圏を踏み入る 水無月の台風 遅延に備へ 早目に出勤
25
頑張りに 泣きたい気持ちを 支えつつ 心で貴女を 笑顔にしたい 
27
「ベッドから出てはダメ」と、気圧さん。我儘彼女と思えばかなし。
10
ねこのいる 家ではアロマは お風呂だけ ジャスミンだとか ラベンダーの
24
悪食あくじきも よしとせざれば身は立たず 正しくなくば生きる価値無し
19
吹き荒るる嵐の空に影見へず鳶はいづこぞ無事と祈らん
8
やるせなき哀しみ埋めてアロマ焚く ラベンダー色 重ね着にして
15
皐月晦日爽やかに吹く嵐去り水無月嵐に足止めとなる
8
台風でずいぶんひどく降っていた雨は止んだか通り過ぎたか
4
今ふうの 店に見た目の 麗しき カップル我は 老母と二人
12
雨の音呼吸するよう強く降りすこし弱まり再び強く
12
擦り切れた 母のテープに パリの朝 燃えたひとりの 少女の歌あり
9
春駒に袖振り明かし人々の喉を潤す水舟の水
10
発達の値引きシールを胸に貼り 選んでるのは私の方よ
8
レッスンの 机並べし 中学生 六十年前の 夫と重なりて
13
パリの空で 見果てぬ夢を 追えたなら みじめな暮らしの ままでも素敵
11
ゆるい陽が差し込む通路出口まで まだ濡れた傘片手に抜ける
5
「好ましい」「興味深い」のさりげない上から目線に 気づかないふり
18
姫歌う勇気を集め奇跡待つ不動の決意大山崩す
10
傘先で星を描くきみ憂鬱な朝にきらめき残してゆくの
9
しなやかに強き風雨に身を任せ紫陽花はきまま雨を楽しむ
31
どんな気持ちで聞いてたの僕が語る火星の夕日みたいな理想
4
続々と入る速報 吾の不安尻目にのんびり 君は毛づくろい
22
やわらかに笑う貴女あなたの皺に見る 過ぎし日の笑えなかったこと
10
おっとろし 地を叩く雨 カエルとか オハオーカラスは どしてるのかな
18
羽もなきかんばせなれば見まほしと黒禿鷹クロコンドルに想ひ募りぬ
7