どうせ死ぬ 誰もが終わる 人生を 恨んでみても 仕方ないから
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年老いて 不平不満を 言うよりは 感謝に満ちた 阿保になりたい
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春が来て すべてのことが 新しく 生まれ変われば いいと思うが
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ささやかな 石の混じった 畑でも 喜び遊ぶ 貧乏人は
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好き嫌い 激し過ぎれは 友達は 一人もいない 唯我独尊
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上を見て 首を捻れば 耳鳴りが クリアな音に 変わる体操
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運命から逃げようとするときこんな高く飛べるんだなにんげんは
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人生は 複雑奇怪 常人に 理解しかねる 学びの機会
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楽しくて 楽しいほどに 悲しみが のしかかるから もうすぐ終わり
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この世には不要なものが多すぎる最たる例が君の不幸だ
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朝起きて 雪がとろけた 畑には 春の嵐が 吹き荒れ捲る
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ぱたからは何故かパンダの宝物ご飯の前のおまじないだよ
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あられ降り 春雷しゅんらいの鳴る 寒い朝 そっと咲いたる 盆栽桜ぼんさいざくら
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前の車を追ってくださいどこか遠くへ導け県外ナンバー
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冬と春 弥生のレーン 半周す バトンを受け取れぬかの如し
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昨晩の名残を拭う春の風ざらつくシーツが終わりを告げる
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勤務医の胸ポケットからはみ出した三色ペンの折れたクリップ
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紛争の 絶えぬ世界に 春風は 新たな時代 告げて吹くなり
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かなしみを きれいと呼んでもいいですか 大事にしていていいものですか
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今はただ 涙のような雨が降り まちが凍えていくのを見てた
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お昼には鯖が食べたいはずなのに、カレーのものもの じっと待ってる
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校庭で当然強風目をつぶる ここはどうやら夢の世界で
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知りながらみんな黙っていてくれる日課となったボスのコックリ
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自分では眠るつもりはなかったが目覚めて恥じる職場のうたた寝
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だけれども 肺呼吸は できないよ 悲しいけれど 元にお帰り
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面談で 打ち明ける口 重たくて 飛び出す魚 いいな私も
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光射す鮮やかな青色に 見惚れていたら あ、滝登りか
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とぼとぼと歩く母の背小さくて  すこやか祈る 春の風吹く
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おひさまのひかりよりおもたいね たんぽぽのかあさんのあびたゆきは
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白寿なる耳遠き母と一語ずつ幼き日のことLINEで語る
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