霜ばれて ひび割れた手に 雫落ち 遺品かたみのニベア シワに塗り込む
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たまに来て どかりと座る セロトニン そうよ私は あなたの奴隷
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見ないふり続けるつもり?あのひとの瞳の底に潜む薄氷
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水が怖い 自由で歯止めが効かないから あんなに澄んで綺麗に見えても
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春が来た おニュートップス・ボトムスに 袖を通して行ってまいります!
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伝えたいことがあるので詠んでます今日も明日も明後日もまた
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残月の光冷たき広場からほぼ貸し切りの路線バスに乗る
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夢をみる 眠りから覚める 朝になる 当たり前だと思えるくらいに
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春近し、孫より身体もこころも幸せのパワーもらい、明日送り出す
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飛び石の間に落ちた金曜日 嫌々そうな車内の顔顔
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親しげに近づいてくる革命を振り払えるのは脳か心か
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夜毎見る鈍色の国の少女には見覚えのある七つのほくろ
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春近し北の国、孫抱ける幸せありがとう、今度いつ会えるかな
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待ち侘びて花壇に植えし花々は寒の戻りに首を垂れて
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寒暖のグラフはまだまだ上下する抱っこで猫と暖をとるなり
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信じるためになにかを悪とし裁くのはお互い様だね 人も世界も
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人の名は世界でいちばん短い詩 だから漢字は大事にしたい
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春なれば水に親しみ山このむ知者と仁者に我はなりきる
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短歌をば大型ディスプレイに打ち込めば老眼にやさしき寄席文字にならむ(医師脳)
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一日に ようやく一首の 短歌うたを詠む 産みの苦しみ創る楽しみ
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三日月も ボヤけた目で 見つめたら 望月の様に 光り輝く
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通販で似合わぬ下着を買ってみたりする程度の恋をしているらしい
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ランニング 雪の間は 仕方ない 雪が溶けたら 言い訳できぬ
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まんげつがでたぞてっぺんにバターを おとしてきりわけほらしんげつ
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君の持つ宇宙に思いを馳せている その庭に咲くスミレになりたい
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魔女のキキいるなら買いたいその母のとてもよく効くくしゃみのおくすり
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貴方から優しさなんて奪ったら惚れる要素は無いに等しい
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いつまでも逃げ回ってもいられぬがじきに追いつくまでは逃げよう切羽詰まればそれはその時
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結婚の束縛を解き得た自由それは保護されまた縛られる
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受け入れる 母と頑な 折れぬ父 私は昭和の 夫婦そのもの
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