「久しぶり」その一言の裏側に僕が知らない 数多の別れ
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お互いに通って過ぎた季節ときがある この季節へと捨ててく想い
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環八に舞い降りてきた天の河 僕も川面の光となりゆく
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春なのか?陽炎の立つ駅 独り 乗り遅れてた春色の汽車
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春霞華と同じ色の空美しいまま散りゆく桜
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はらはらと 桜並木に 散りぬるを 空仰ぐきみの 春は遠くに
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「クリスマスローズが春に咲く理由答えられたら許してあげる」
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怒りたる 宗田翁書く 大人には 悪意と狡き 今も表し
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もし花が青色ならばお別れは少なかったか考える春
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ゆで卵 ひらけば花だ春めいた器にミモザサラダの園生
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あなたがね楽しんで笑うそれだけで周りを照らす光になるんだ
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うれしさのポップコーンははじけ咲く花、再会の春にあわせて
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雨降ると代わりに泣いてくれているような気がして心落ち着く
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文旦を剥く朝が来た今日こそは 私も食べる幸せな朝
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過ぎし日の あのひとこまを詠みたくも 言の葉が出ずボールペンカチコチ鳴らす
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もろこしへ船路はるかに霞むめり松浦の浜の春の曙
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親竹は 竹の子の為 葉を枯らし 黄色くなりて 我が子育てる
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土さいておちこち角だすすずらんの芽ぶく鈴の音ほのかに聞こゆ
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ひとしれず 終わる命を みおくれば 辛夷こぶしの枝に 白く珠成たまな
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スマホにてベトナム人に問診する我はAI時代の医師なり
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労働も、家事も、選ばれぬ苦しみも、全部丸めてゴミ箱にポイッ
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雨はもう通り過ぎたか しんとして 車の音だけとおくに響く
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オナカスイター ねこ母をしきりにかじるので 腕には内出血の痕が(苦笑)
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いくたび待てど赤いランプは灯らない 面影を待つだけの日々
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かりとられかつて庭木だったもの 過去のわたしが頬擦りをする
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なにをしているんだ私あなたごと抱きしめられないくせに生きるな
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わたあめを撫でてるみたい らくえんのいきものであるかのようなねこ
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しあわせにできているのかわからない どう?ときいても「ナン」と鳴くきみ
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うたなんかよりもほんとは現実のねこを撫でたい 会いたいです ねこ
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アパートのシングルベッドに黒白のおさとうは居ぬ 表面張力
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