ねえ聞いて聞いてもあるし聞きたい聞きたいもあるのキミに逢いたい/三月下旬
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親知らず抜かれるとも知らずに そこで聞け俺のアンダーザーシー
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散り際わの花さえ見えずうずくまる悲しみの果てたどり着く土地
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思ってもできるかどうかわからないでも思わなきゃ何もできない
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友の歌う「さくら祭り」の舞台なる 「開花宣言」いまだ出ぬらし
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まんまるになったさくらをみにいこう 春をおにぎりごと食べちゃおう
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電池替えチチチと今に走りそなガス点火おん早さにびびる
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ぱそこんと ねこは だいたい せっとなの (乗って)あたためてみたり あたためられたり
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春・駆け足 そんなに急がなくていいよ 桜が戸惑ってしまうじゃないか
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梅満開 三寒四温のリズムずれ オフよりオンのシェア上昇
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君の背を抱いて跳躍したせつな夢から落馬した僕でした
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墓参り済ませ安堵の夕日差すコーヒーの香とカーペンターズ
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「春雨じゃ濡れてゆこう・・」どころじゃない雨足に庭の積雪もぐんぐんちぢむ
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不在ってこんなに存在 空っぽの観覧車ずっと回ってる夜
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畑で摘んだ水仙を握りしめママにどうぞと持ってくる君
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太陽が懲りずに僕を追いかける僕は絶対孤独になれない
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土いじり手に伝え来る大地の気 心安らぎ元気漲る
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お寝坊さんいつまで寝るか知りたくて敢えて起こさぬ土曜日の朝
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前栽に並んで笑う水仙の待ちわびた春にぎやかに来る
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現実に若返ること出来ないが夢では時に若者になる
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母親が 俺と息子の うしろから 死んだ親父と そっくりと泣く
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悲しいね 頑張ってるよね 寂しいね 自分以外に 言われてみたい
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どうしよう 孤独と仲良くなりすぎて 残りの人生 もういらんかも
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桜の開花する頃に 十歳を迎へり 我が愛猫を祝う
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進級はまた新しき出会いあり好きな先生産休に入り
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定食の三千円に目を見張る山の国道沿いのとんかつ
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叔母くれた砂糖まぶしたふきの菓子母の好物知れる里山
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電球の替え方なんて知らなくてまだ暗いままのあなたがいた部屋
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薄雲る鈍い朝日を背に受けて白鳥達は空の高みへ
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ウケるとかウケないとかではないのだとわかっていますけどこの脳が
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