働き手 金の力で むしり取り ふる里は失せ 「ああ上野駅」 ★ 伊沢八郎さんのヒット曲
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かどかどにモッコウバラの家ありて日暮れのまちを春は過ぎゆく
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まだ卯月となりの部屋にうたた寝の夫のクシャミ二つ三っつと
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頑張って一番きれいに光るから真砂の中から僕を見つけて
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受診へと施設の義姉あねをドライブに 何処へ行くのと繰り返し問う
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晴天のながれる車窓にはこぶのは千の足取り千の思い出
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湿原に 可憐に咲いた ハルリンドウ 静かな山に 清流の音
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大ぶりのタケノコの皮ムキ取るとマッチョではなくかぐや姫様
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春風が消えゆく昨今 無情なり想い馳せるは朧雲
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前を行く若い女性がムリと言う 続く青年うつむいたまま
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大きくは決して漕がないきみたちもいつか漕ぎ出す 鞦韆ぶらんこゆれる
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疾風が どんより空を 消し去りて 晴天の果て 山はくすぶ
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紫の雨降りめて幾年いくとせか彼逝きし日はあかねさしつつ(四月二十一日プリンス命日)
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「いちおミニ」 何度も言ったきみのこと  ちっちゃいけれど おっきかったね
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キャンバスに赤が弾んでほとばしる 心室みたいなきみのアトリエ
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死を知らぬ子は震えながらドクターヘリに「かっこいい」と呟きたり
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風を避け若葉マークに尾を振る小江戸の鯉のぼり
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捩花ねじばなを じっと見つめる その不思議 螺旋階段らせんかいだん登る虫いて
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逆流が口に残ったシャボン液君に合わせて笑うと苦い
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揺られて1時間 あなたは頬を濡らすけれど 大丈夫、私はここにいるよ
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昼餉あと机に沈むひと時は生きる為なりなんちゃって歌
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目の奥におおきな海がすんでいてたまには会いに来ることもある
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過ぎた恋 取れたと思った かさぶたが そぼふる雨に しくしく痒い
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窓外そうがいは春晴 傘持参迷ふ 抜き打ち雨予報に戸惑ひ
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拝島のフジを見にゆくバス旅の二十二分のゆらりにふたり
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血 うすくて 献血できずに 帰されて 早めのお昼はレバニラ炒め
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締切が 明けましておめでとう今日 風と緑とご近所 詣で
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夢の夢 てての舞いを 見納めて 人生重ね 桜人たち
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「過剰なる買い占めやめて」と繰り返す胚芽押し麦明日無いかも/ラジオ後発地震情報発令に
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壁塗れば要らぬオヤジは成増へ荷送りをしてオカン屠蘇呑む(百人一首・二十)
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