真っ白な羽根散らかして正に今嫌われ者の鴉が鳩を
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長々と浸かる湯船の心地よさ友と約せし電話もふいに
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別れたよ今度はあいつとくっついたまつりごととは色恋沙汰か
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行く道は次第次第にくらくなり浮かんで消える面影増えて
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散り残る木の葉いく つかカーテンに影を落として揺れるこの夜
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グツグツと 鍋中踊る 栗の実よ 甘くホクホク してますように
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枕元 灯すあかりで 本を読む 秋の夜長の 楽しみ増える/『花散る里の病棟』
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中秋に 右近衛えらびし くりからか 銀杏えらびて かまくらになす
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久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
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暑いだの寒いだのもう飽きました黙っていたい秋の光と
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実家にて「ただいま」「おかえり」 そのつぎは 長女猫あのこの写真に ただいまのキス
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いにしえに 朱雀が通りし この都 左右に別れて のこる一条
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なれやしる ひのもと野辺に たそがれて 上がるも知らず 落つる国には
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『今夜はね、良いおかずだよ。届けるか?』ラインに『いらん』で覚っておこう
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けてゆく 口に含んだ チョコレート  愛にちかしい 味がする
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金曜の夜が一番好きと言う小二の息子の選ぶE.T.
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歯科治療保険適用どこまでか。元気な歯まで抜いて良いのか
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『総入れ歯、ホントに楽よ合ってれば。』いっそ全てを抜いてしまうか?
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街灯の 一つも照らぬ 田圃道たんぼみち  あおいだ先に 天象儀てんしょうぎ
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毎日の山の変化を目の端に初暖房の車通勤
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切れ間ない 曇天どんてんまるで 水彩紙すいさいし  想いはけて 雨はにじんで
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まつりごと 合従連衡がっしょうれんこう 複雑怪奇ふくざつかいき  日はづれども 名君は出ず
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迷い猫 網戸越あみどごしから のぞいてる  愛嬌あいきょうに負け 煮干にぼしを渡す
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くだらない 取るに足らない その中に  風雅ふうがちりが 一二三ひとふたみっ
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人と熊 山の神との 邂逅かいこうは  ことごとみな すれ違いから
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家がある食べ物がある本がある この美しい国に生きてる
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料理人腕を磨いて舌を巻く舌の肥えた人が舌鼓を打つ
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ママを診るあいだ預かる赤ちゃんを抱けば懐かしぬくみと重み
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OPで踊るアニメのキャラになり大体の人と仲良くやりたい
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君と見た世界は全部違う色 今度また違う世界で白黒
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