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送り盆 邪気を祓いて 爆竹の 遠ざかる音 深く残れり
29
冷房が効いた部屋の中で聴く 季節外れのマライアキャリー
5
鉄の鳥 羽を休めに 集う地に 生ける人もまた 精霊馬のごとし
4
空襲を『紙の砦』は耐えぬいて手塚治虫の不戦の誓い
9
それぞれの悩みは多く我が日々を矮小化して笑いて去りぬ
6
食前の 薬を飲むの 忘れたわ 食後に飲めば 次の食前
6
熊谷に二人の友が住んでおり県の境を越えゆくランチ
9
防人と 呼ばるるも事も 今は昔 盆を迎えて 明日願うのみ
7
ホルモンを焼きつつたわいない話し 飾り気のないあなたが好きだ
4
親戚はもう来なくなり華やかな盆提灯昔を名残る
10
日々を追い
変わりうつろう
街景色
手元の煙は夜天に昇る
3
もみの木の枝にかけたる鞦韆の揺るるまにまに鳶ぞ鳴きける
7
幸福で小気味悪い雑音は消え 六畳半、零落のメモリア
2
断層は 戻ることなき 摂理なり 人においては その限りなし
10
ひとりでは買うに躊躇う桃などを食わしてもらう実家の幸せ/帰省四日目
33
英霊と 変わらぬ命 戦死者に 御魂捧げる 政治家ありや
11
盆の日に新たな命嬉しかり 生あらばこそめぐりあう幸/五人目のひ孫
34
うちつけの 巨大地震に リンチャ島の コモドドラゴン へそ天になる (2026年8月15日フローレス島M7.7地震発生)
8
甥御描く 落書きなどを 想い出す 草間彌生の かぼちゃの版画
10
懐が 寒い安売り 肉を買い 胆石症の 痛み再燃
10
小泉の 罠に落ちるな 日本人 距離を保ちて 真実見抜く
10
寡黙な
亡父
(
ちち
)
悲惨な体験秘めたまま 我が子に伝える
術
(
すべ
)
も無い今
18
ロスタイム今年さいごの夏の空 灯りを消して夜へ見送る
4
アブラゼミ終の棲家をベランダに数日後にはゴミ処理場へ
5
頼りにはならぬと知りつ何度でも繰り返し見るお天気アプリ
25
向き合っているから苦しい誠実さコントラスト逃げ癖の我
16
味のない 野菜炒めの 日のために 俺はいつでも ポン酢携え
3
友語る家の悩みはそのまんま思考を止めた自分とリンクす
15
躓いてこぼれた涙乾くまで優しい風よ心をいざなえ
7
若人の ひたすら球を追う姿 流す涙は真珠のごとし
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