あぁ母よ冷房などは苦手だと知っているから合わせましょうぞ
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嘘でしょう? 好きだったのは 私だけ あの微笑みで 思わせぶりして
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ラインなく押しても駄目なら引いてみる サボる貴方に作戦決行
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暑いけど日向ひなたを選び歩いてる そうだ私は夏が大好き
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力なく病を語る友のこえ耳朶に残して厨にぞ立つ
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いつになく機嫌がいいの君となら同じ空間濡れた右肩
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打ち水の 後を誰かと連れ立って 通って行った肉球の跡
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彼氏とか 死ぬほど必要ないけどさ あたしはあんたの 彼女になりたい
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帰るなり スイスロールを 切りもせず 一本食いした 女の話
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昼休み友に会うため暑い中日傘をさしてウキウキあるく
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タクシーの声高なドライバーに前職問へば自衛官にて難聴気味らし
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夏の夜 扇風機に子ら わわわわわ 風邪引かぬよう 早よ服を着ろ
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無印無印良品の片隅にある給水機 使いたいけど躊躇っている
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鳴り止まぬ山揺らすほどのアブラゼミ 七日の命を 燃やし尽くせよ
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夏至過ぎて ムクゲの花が 街を染め 夏を彩る 花火の様で
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数年の 時越え地上に 這い出して 空を知る前死んだ蝉の子
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間違えた息子の靴下はけている 嬉しさとともに 母はそれでいいのか
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完結は正否にあらず美醜無く摂理の儘の愛が存する
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それぞれ良い夫婦の形 恋人でも利害一致の同居人でも
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血の味がするキスばかり繰り返し今年も花火は湿気ってしまった
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逃避行 電子の海面は暗いなぁ いつまでここにいるんだ、お前。
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防音の扉が入れたスイッチは ワンドリンクにまた押され、さめ
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フェデラーのファーストサーブを顔に受け 他の痛みを忘れたい 全部
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何もかもギラついた夏が苦手です ノリが悪いと言われてるようで
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寂しさはカラスの目の色空の色打ち捨てられた空瓶の色
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それですか?そこになければないですね そこじゃないですそう底ですね
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将来の夢を分解してみれば 毎日ケーキ食べたいだけだ
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何者になる奴らは主人公 そんな話はみんな呪いだ
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別れ際 君にもらった桃のグミ ラスト一個がずっと減らない
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人生も歴史も全部ほっといて 今があればそれだけでいい
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