実際に好きな歌人が目の前に 頭真っ白言葉でないよ(文学フリマ)
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刈り取りの済みし田んぼにじっと立つ陶器にも見ゆ白鷺一羽
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が身をば 礫瓦たびしかはらと思ふなむ ひろき心のゆたかならねば
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我儘を言いたくなった「いつ死ぬかもうわからんな、は駄目」お父さん
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シルエット ロマンス聴くも 外の風 木枯らしは吹き 歌姫連れ往く
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寒さ来てダウンコートを新調すサイフの諭吉に睨みを返す
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二十五時 記憶に首を絞められて 君が遺したマルボロを吸う
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死にたいと轢かれた君が呼ばれてる電車の光御来迎
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会いたいと想い続けるのに疲れそういう恋は卒業したの
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人肌を知らぬけものであるままに二十一度を下回る部屋
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ひとひとり殺して帰えるひともなくふかき斜面に家は明るむ
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ベランダの天然冷蔵庫に酒瓶をさしこむ
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ひかえめなピアスを選ぶ 一目でも逢いたい思いに嘘は無かった
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土曜日の夜の定番ホッとする 貴方とたべるジャワの辛口
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図書館に君がいないからコンビニで苦い香りのレモンを買った
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幸せはハテナの形でやってくる 今の私は何を選ぶか
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「お掃除です」声かけ入った病室に いた患者ひと我が家の猫医者先生/びっくり!
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にちじょうは くりかしちゃって あきるけど とぎれたときは はやく復帰したい
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思春期の頃思い出し図書館で手に取ってみる立原道造
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年賀状・おせち料理に大掃除 何本あっても足りない猫の手
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今日は土曜「こにゃんというのがやっている」わが猫ら「ちゅーるの日」をそう覚え
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サイゼリヤ 弟オススメのペペロンが ハマる味です 具は無いけどね
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日が落ちて 窓際さすがに冷えてくる 部屋着の上のボタンをとめる
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シンとした冷たい部屋に息子キミ帰る ぽっと明るいぬくみを連れて
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お互いに目尻のしわは増えたけど 手紙の文字はアオハルの頃のまま
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5本指ソックスとてもお気に入り 隙間すきまなく包まれるぬくもり
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アスファルトひび割れの中寒そうに小さく開くクローバーの葉
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うちの犬が人噛んだけど気にせえへん狂犬病は人から感染らん
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下ろしたてたまには奮発子ども服 あぁあぁ無情あぁミートソース
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三頭身ぷにぷに手足赤ちゃんの コテンと転がる姿最高
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