無印無印良品の片隅にある給水機 使いたいけど躊躇っている
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鳴り止まぬ山揺らすほどのアブラゼミ 七日の命を 燃やし尽くせよ
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夏至過ぎて ムクゲの花が 街を染め 夏を彩る 花火の様で
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数年の 時越え地上に 這い出して 空を知る前死んだ蝉の子
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間違えた息子の靴下はけている 嬉しさとともに 母はそれでいいのか
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完結は正否にあらず美醜無く摂理の儘の愛が存する
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それぞれ良い夫婦の形 恋人でも利害一致の同居人でも
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血の味がするキスばかり繰り返し今年も花火は湿気ってしまった
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逃避行 電子の海面は暗いなぁ いつまでここにいるんだ、お前。
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防音の扉が入れたスイッチは ワンドリンクにまた押され、さめ
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フェデラーのファーストサーブを顔に受け 他の痛みを忘れたい 全部
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何もかもギラついた夏が苦手です ノリが悪いと言われてるようで
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寂しさはカラスの目の色空の色打ち捨てられた空瓶の色
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それですか?そこになければないですね そこじゃないですそう底ですね
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将来の夢を分解してみれば 毎日ケーキ食べたいだけだ
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何者になる奴らは主人公 そんな話はみんな呪いだ
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別れ際 君にもらった桃のグミ ラスト一個がずっと減らない
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人生も歴史も全部ほっといて 今があればそれだけでいい
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いつだって明日死ぬ気で立ち上がる そうでもしないと動けないから
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カフェラテを飲む夕方の休憩室 (週末の疲れを横顔に感じて)
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絶対に やってる振りには 騙されない 花なら咲いた 振りなど しない
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貧しさがボディーブロウのように効く 気力、体力 奪われていく
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のびのびと あんよなげだす ちま猫ちゃん ながいあんよが ちゃーむぽいんとよ
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ポーランドのジンジャーブレッドかじりつつ タイ茶お代わり 国境こだわりは無し
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熱風にざわざわ揺れる杜に聴く やけくそ気味の鶯の声 /猛暑日
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飲み干して カランと泣いた グラスには 大きな氷 解けないままに
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うたかたはうたのみつなぐ(具)にあらずやさしさをあむあみ(ネット)のうみなる
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尋ね来よ三輪の山本風そよぎひもゆふだちのすぎ立てる門
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風通す小さき北窓あけ放し友の電話に病状確かむ
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風吹けば短き夢のあともなし窓辺にさやぐいささむら竹
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