Utakata
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水面
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みなも です
よろしくお願いします
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「もう無理」と呟いたとて気付かれぬ 揺れる車内で呟くも一人
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陰鬱を溜め込み落ちた葉を詰めて「ごめん」と袋抱えて歩く
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ベランダで人が写真を撮ることが皆振り返る号令のよう
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夕方のチャイムで我に返り見るまだ彷徨っている少年ら
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「変わらないのが美しい」ならばもう、わたし美しくなくていいよ
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東京の夜 いくつもの火の玉がゆらゆら揺れて迷ってるよう
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もう思い出せない君ももう思い出せない私を保存している
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浴槽に漂白剤を溜めたなら私も白くなれるでしょうか
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攻め入られるのかと思い傘握る赤が緑へ火蓋は切られた
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頬伝い耳の穴へと入ってく悲しみがまた循環してく
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袋から胡桃を探し胸に当て浅い呼吸を想像してる
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誤って落とした卵は床となり監督不行き届きの両手
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ポロシャツの制服を着た学生が17
(
ごじ
)
時の明るい陽の中歩く
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人肌の温度の柱だったなら抱きついてしまいたい帰り道
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笑い声だけが聞こえるせいで隅で読唇術試みてみる
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悲しみはゲシュタルト崩壊寸前 いっそどうにかなってしまえよ
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「どうにでもよくなってから始まる」と聞いて始める これは何度目?
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カラー材匂う車内でケンタッキー持つ人もいてどこか似ている
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一瞬で季節すら飛びゆく匂い一人が怖いと感じた冬
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人混みの中から伸びる手が持った黒い剣道同好会
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苦しんでいるとこ見たくないという私の愛の薄っぺらさよ
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モヤモヤの発散場所にされたのにうまくキャッチもできずごめんね
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吹き出しのマークが消えて連絡が途絶えぬように電話をかける
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刺激的とは程遠い日々だけど耳をすませば凪を感じる
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「次は二ヶ月後ですよ」と言われふと半袖を着たあの人思う
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ぶつかって背中についたキスマーク見て咎められるのが浮かんで
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命懸
(
か
)
け恋をしているドラキュラが羨ましいと思ってしまう
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走ってて揺れる毛先に手を伸ばし頭の中の手綱を握る
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「悲しみは続かないよ」と頬伝う水に流してまた生きていく
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いつも買う安いもやしにない豆が実家ではたらふく食べられる
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