胸中は神と対話し騒擾に出された試食微笑んで受け
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ふいと出す趣味のグッズを武器として真面目な会議少し反抗
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えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ と言ったとたん「あんたが作れ」と言われるから黙る
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えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ 大葉と茗荷を散らしてあれば
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えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ 具はカニカマとトビコでいいから
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読書灯つけたまま寝る虫の字が飛ばないようにページは閉じて
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雷のゴロゴロ音にワンと吠え 迎え撃つよな頼もしさ見せ
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清き水澄みし空気につぶやきぬ「嗚呼みちのく…」と旅人のごと
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目覚めれば東の窓から金の朝 はちみつ色の妖精の道
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迸る 稲妻を抱く 黒雲は 鏡に映る 僕の姿か
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昼の2時 ガムを噛んでもまだねむい お茶を飲んでも せんべい食べても
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喉乾き、自販機探せば炎天下。君に手渡すソオダのかがやき。
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初恋があなたでよかった、心からあなたを愛せたわたしを好きだ
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濁らずにただ「さみしい」と言う君のとげを落とした甘えを愛す
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パイナップルマンゴーのお茶を淹れまして 夏を感じてファミマのマラサダ
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のびーする ねこの「パー」のて かわいいな まくらにはんぶん おかおをうめて
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結べない靴紐みたい 心だけ 雨に駆け出す赤いスニーカー
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忘れられたくないと泣く吾の首をしんねりやさしく締めて黙らす
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パンジーに隠れおりたり蝶二頭 帰宅の我を飛びて迎えり
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ふりかけの成分表示に紅麹サーモンピンクに不気味さ覚ゆ
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混ざらないfloatみたいな夕焼けを浮かべたように夜のカクテル
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迎え火の炎に映る祖母恋しすねてかくれし吾を庇いき
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蝉時雨 耳ふさぎつつ森に入る 嗚呼最期の仕事に雌を呼びおる
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捨てようと するとなんだか なつかしく 思い出ひたり またも捨てれず
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炎天も楽しげなるや 聞こえくる水遊びする子らの賑やか
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きっと今キミの世界に舞い落ちる言の葉ひとつひとつゆっくり
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また一つ覚えた言葉「ブーブー」と繰り返しトミカ滑らす息子
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霧の中で心の詩集を開いてる。Hello My Soul!優しくなりたい
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おびただしい 数のセミ鳴く 森の中 狂おしいほど 救い求めて
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「少し味濃くなっちゃった」と言えばすぐ 「夏だしオッケー!」母が眩しい
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