秋探す 夕の陽のジョグ  息急いて 脚止め迷う夜道かな
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背に受ける風がいつもより冷たい貴方が感じていたはずの風
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会議室 彼が吹いてた口笛の 曲は確か「雪だるま作ろう」
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おじさんはうちのピアノを運び終え ピアノ教えてくれと言ってきた
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北の果津軽の国の立佞武多たちねぶた 生身を得たか尊富士立つ
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練習後 見上げた空に鳥が舞う 「うれしそうだな」先輩は言う
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パーティーが終わればひとりまたひとりしずかな影の一片になる
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ぱっかーん あんよひろげて ねんねする あんしんしきって かわいいねこたち
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寂しさに名前をつけよう昼下がりきみの名前を呼んでしまった
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七十の父にパソコン指導する まだまだ学ぶ姿勢の若し
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そやけど近所の爺さん 市から何かもろてたな くれるんやったらもろてもええで
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あほ言いな 敬われるなどまっぴらや 嫌われるぐらいが丁度ええのや
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骨壺カバーの模様の細やかさ あなたの背中を撫でられたらなぁ
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遺影に向かって恨み言頼み事 疲弊したって想うのは君のこと
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あなたからもらった手紙 開けるとき 指切れて 読みもせず 血に夢中
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猫刀自よ そは尊富士の勝ち姿? ほんとカッコいいよなあの若武者は
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透明と聞いてはじめに思い出す色で塗られた空と祝日
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坊さんの左手首にロレックス 暑さのせいで見た幻だといいな
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(神)また君か 神にすがるのも ほどほどに。 君の願いは叶える気ないから。
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雪虫がたった一匹とんで来てせっかちなのか長月半ば 
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リポビタンぐっと呷り飲み干すが気休め程度のエナジーチャージ
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ポニーのね名前が同じひろしだとはしゃいでる彼たぶんいい人
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米食えば櫃が減る減る今日炊事 明日食う分の心配尽きぬ/既読感
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神本を捲る手を止め天仰ぎ 暫し休憩 良すぎて無理だわ
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「この本は何でも許せる方向けです」 良いぞ任せろ全て許せる
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起きる時変えようと思い徹夜する途中で寝ては元の木阿弥
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上辺だけ人間関係築き上げもし壊れても舌を出す我
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曇り空あめふるのかなふらんかな手ぶらで出たい休みの日だし
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秋の風 受け入れるには 早すぎて 過ぎゆく夏を 抱きしめて
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さよならを 言わず終わった 青い春 ひとりの旅で 想い出すのは
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