作業して共に汗かく若者に メロンの半分おすそわけする
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背丈より高いヒメジョオン抜く朝に 日差しは草の合間より光る
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太陽に責められている灼熱の スポットライトで焼き殺す気だ
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九月には絶対会おうね?なんて言う 絶対なんか信じぬ君が
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何者にも なれないそんな 僕だけど せめてあなたの 唯一無似とくべつでいたい
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残されし時間はあまり多くない今更だけど余生むさぼる
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蝉の声木々の緑に水しぶき盛りなだけに夏こそ哀し
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スープアクロバットちん毛走法で光に追いつきたい
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出先ではずっとほんのり鼓動が早い みんなみたいに器用じゃないし
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さくらんぼみたいに赤い唇の輪郭を見る わたし、生きてる
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いつ死ぬか分からないから私たち納得できるせいでいようね
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たい焼きの頭を頬張り笑う君 何年経っても褪せぬ風ふく
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夏が好き計らいもせず晴れの日も君と相合傘ができる
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蝉たちよ耳鳴り続く地中出て 呪わず唄え心ゆくまで
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カタカナがカタカタ並んだ歌詞カードの中で目を引く漢字「作詞者」
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アナウンサー志望の人は大変だ アクセントほんとに多種多様なり
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ながいきの ひけつは すきんしっぷだよ いっぱいなでて ねこはもふもふ
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独りの 強く感じる 寂しさは 馳せる想いの 裏返しなの
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ふるさとを 旅立つ車内で 後ろ髪 強く引かれて 黄昏れ俯く
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丹波竜 幾星霜の 時を経て 復元されし 雄々しき巨体
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はるばると原始へ続く過去を持ちメタセコイアは静かに立ちぬ
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やぶ蚊さえ姿消すよな猛暑日に池のとんぼは暑くないかね
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「熱中症警戒アラート」出されてもいつもと変わらぬ生活は有り /少しでも御自愛を
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木漏れ日の道はまっすぐどこまでもメタセコイアは太古に続く
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アスファルト陽に焼けてなお黒光り三号線の朝を駆けゆく
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川泳ぎ 投げられたボール追う犬の 涼しげ楽しげそののち義務感
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見下ろした川のマイナスイオン浴び 遠くで犬と遊ぶひと眺む
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朝ぼらけ読書灯の紐を引く開いたままの夏、回想記。
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夏の朝。蝉時雨に舞うヘーゲルの、精神の眼に我、時めかん。
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湿暑しっしょにて身体しんたい極まり」いやマジで出処進退しゅっしょしんたい考えどきか
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