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雨降れば 鹿も宿れる 軒の下 古都奈良ではと 笑みも浮かびて
24
暁を覚えぬままに昼を過ぎ このままずっと夢見ていたい
19
猫なりに 気遣いありて 微笑まし 場面によって 相手を選び
16
喩
(
たと
)
えれば クレーンゲームは 猫じゃらし 狩猟本能 くすぐる意味で
21
シンク立ちPMSを受け止めた無罪の茶碗フチが欠けている
13
夢色をペットボトルで生成しトロルは眠る昼の十二時
12
もふもふを 求め訪ねし 友の家 離れたくなし 帰りたくなし
18
ひび割れた足をあぶくが笑うけど、それでも波と踊りたかった
10
しんどいね まずはその
事実
(
こと
)
認めよか いつも通りが しばらくできない
21
気にしない気にしなーい とは思えども 最低限の
朝食
(
あさ
)
たべるだけ(食欲ないね)
13
ねこアラーム きょうは「ニャーン」ときたけれど 眠くて かわいい姿見逃し
16
ヤッホーと 山は「こだま」で 返事する 精霊たちと 心の会話
10
商談で 結論出ずに ペンディング 前向きに対処 ほぼダメだろう
6
がんばった。誰も分からなくっていい 行動したら勇気がわいた
37
首に来る
強張
(
こわば
)
る痛みに薬飲む冬は少なし春だと思う
15
ボケてみる ツッコミ入れる オチつける こころの薄紙 一枚剥げる
17
孫たちの入学・進学重なって祝いの春は 老後の余震/物入りだとかで支出は先に
14
廃線を なぞって歩いた 僕たちは あの時確かに 生きていたよね
12
十二度の 細雨は春の柔らかさ いつとは無しに 冬は去りぬる
13
隣の子 片耳イヤホン 俯いて ノートに落書き 謎の生き物
12
知らぬうちスイッチ入り切れている憶えちゃいない指がやってる
13
「勉強は 全然してない」 君の眼は 何故だかずっと 右上を見る
6
駅ピアノ 拙い音に 振り向けば 幼い姉妹と そそぐ祝福
13
あの春の 交わした約束 忘れても 背中預けた 我らそこにあり
5
崩れ往く 街を見ながら 手を繋ぎ 二人の影は 溶け交じり合う
9
出航の汽笛で目覚む長崎の朝は小雨と潮の
香
(
か
)
降れる
24
草花を 写真に残す方法で花摘みをして 命を摘まず
25
モノクロな 弥生に
贖
(
あがな
)
う ご先祖に 蕾がたくさん ついたナデシコ
32
まっくらな世界の中に一筋の光差し込む「転」が足りない
7
人生は 愛したことを ファイルして 心に刻む 一冊の本
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