どこを見ているか少年 きみの手に確か密かに這いよる戦禍
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転ぶなら早い方がいいよという人が歩いたふかふかの道
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めおと去りし ベンチに常盤木の葉が一つ 燕は夜に翻ける
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真夏日の落暉は暑さを持ち去らずハチミツ色の夕映え残る
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臭いかも そんな次元は とうに超え 自分で自分が 臭く感じる
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長時間 汗水垂らし 働いた 帰り道見る ったつめ づき
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月低く お疲れ様と 笑ってる 夜風優しく 一日ひとひの終わり
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時間とは 止められぬもの 一瞬も 過ぎて去り行く 一方通行
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静けさに まぎれて消えた 声ひとつ わたしの奥が すこし軋んだ
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不潔だと 土を触りて 思うけど 爪は汚れる 畑弄りて
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泥水が 跳ねて思わず 目に入り 慌てて帰る そんな毎日
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植物が 希薄なガスを 吸いながら 成長してる 姿が奇跡
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七月が もうすぐそこに 来てるとか 地獄の真夏 そろそろ出番
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灼熱の 梅雨の合間の 日曜日 日も傾きて 日陰に休む
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あることを 止めると決めた その日から 奇跡が起こる そんな気になり
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いたずらに 奇跡を信じ まっしぐら 現実となる その日その時
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紫陽花は 青が一番好きだけど 辛抱強い愛などいらぬ
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窓開けて 一晩寝たら 喉痛め これはまずいな イソジン頼み
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願懸ける 良いことばかり 起きるよう 悪いことなど 起らぬように
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海鳴りが耳まで届く堤防に微かに混ざるギターの音色
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夜の海波打ち際がぼんやりとどこから海で私は何処に
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四十過ぎ 半分わかもの相手にリアルガチ エグい?何がさ 勝ってから云え
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夜の街電車が通りすぎていく灯りがまるで星空の様
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本のなか 灯りのような 言葉たち 目線を上げると 宵闇にひとり
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アメリカンチェリー一粒ちょっとした言葉の棘を反省してる
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十数年 目指した「昔」に辿り着く あと一つだけ すべてをかける 
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勝てぬ者 倒して弱い奴に敗け 我もヒトかな 成らざるモノに
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友と書く 十六の日の短冊は 天に伝えず ただ胸の内
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扇風機にそっぽ向かれただけでこの世の終わりを味わえる夏
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三日月夜。 月牙鏟げつがさんの 使い手は 沙悟浄だった 成仏のための
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