ぼくの些細な言葉に笑うきみの声 扉の外でぼくが聞いてる
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透明な人間なのかもしれないな今日は誰とも目が合わないし
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ばっさりと切った帰りのヘアゴムは手首でアクセサリーの顔に
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産声いらいの深呼吸、そうかそれだな今欲しいのは(麻さんへ)
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大国が勝手に和平推し進め独裁者らは歴史にのこる
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つかの間の春 伴走し駆け抜けたひとりひとりは走者ランナーだから
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会報を封入した夜夢で会ふおんなじ釜の飯食つた友
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どちらかな?お内裏様はと首傾ぐ ジェンダー意識の今風おひな
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星を むほど深い呼吸した 産声いらいの エンパイアブルー
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ポンコツもいのちを運ぶ愛車なり通院帰りにエンストかな
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再会す 想ひは同じ空の下 わずかな時間ときも満ち足りてをり 
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床に散らばるノートには 2ページだけの革命が 備忘録へと成り下がり 醤油のシミがついている
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ガッサガサよくこんな手の指す方の言いなりになるスマホの優しさ
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見返りは求めないから大丈夫美人でもない人妻でもない
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薄いほど美味しいらしいチョコレート軽薄なほど惹かれつつある
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どうしてか? 君は僕に 構うのか? 無垢な笑みは 残酷な美
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鏡像よ お前は死んでもいいからさ 僕が生きてるざまを見ててよ
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あの人の 思い出せない 名前なんて 好きだという エゴイズムかも
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知ってるよ 庭のはずれの方にある離れにあった憧れのこと
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クラシック 聞こえてきても 出てくるは 曲名よりも テレビ番組
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地下鉄の降り時をミスったあなたはとっても素敵だよ すきだよ!
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人の世のことわりなのか 我儘と責める奴ほどわがままを言う
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善き人を「自分勝手!」と責める見て 自虐ネタかとワロて怒らる
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モニターと見つめ合ってる四時間の時給は一,〇一〇円也けり
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新しい香りの中に飛び込んだ今の職場で一年が経つ
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あと3人あと2人とドキドキす 辿り着かないオクラホマミキサー
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チビ猫が なかなかねどこ寝床にこなかった よくよくみたら(シーツに)おつめひっかかり>救助しました
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クイズやも判じ物やもしらぬ歌 名人のひと歌ひをるらむ(「短歌研究」ってそんな感じ)
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如月の 記念日だったあの日さえ 2度と逢わない 裏切りのつき
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しずやかな最期の日々をあきらめという杖つきてやりすごす現在いま
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