痛む歯を抜き去るべきか思案するチャーハン噛まず飲み込む昼餉
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幸せに季語はないよねストーブと桜とアイス、君の「おいしい」
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木漏れ日をバケツツールで塗りつぶす 二度とこんな日が来ませんように
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「そこにいて」バスの座席の直角に 母の背丸くゆるやかなK
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隣では別れ話をする男女。泣くなよ男、がんばれ男
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陽光や真夏日告ぐるアナウンサー 氷アリマス 書き文字躍る
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エンジンの 音を響かせ テラテラと 光耀き 空を横切る
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「いかないで」玉置浩二が叫んでる。吾がパフェを食む純喫茶にて
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左手と右手の違い ペンを持つ方と子猫の背を撫でる方
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ひよどりの鳴くも変はる山裾は誰を惜しむか藤衣着る
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幸せを頬張る口にそそられて膨らむ頬を指先でつく
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平和とはなにか 昼間の新宿を行く人々の影は色濃く
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独り占めしたいと願ったあの日から清廉な恋は息を止めたよ
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あ、昨日死のうと思って忘れてた  アラームの音を死ぬほど『上げて!』
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愛猫と触れ合ひぬあかしの冬毛 袖に残りて 通勤の伴に
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出し忘れ 食べずに残り 一人夜に 沁みる手作り 君のポテサラ
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母さんの飯寿司と菜っ葉の漬けもんがこんなに恋しくなるだなんて
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年々と 似てくる夫婦 男女差も 曖昧にする  老いの凄さよ
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神仏へ頼る離れば人と成る頼らずとても内なればなり /自戒
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お団子に なってたねこたち 分離して いよいよ初夏の 気温も近しと
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漱石に倣えば君は三日月で 笑顔の目元も別れの傷も
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予備一つ常に置きたい玉ねぎに日持ちのしない新玉到来
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ドラマ見てこんなのだよねと辛くなる 変わってないのね恋愛は今も
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来るたびに ばぁばを追ってた孫視線 いつしかスマホのゲームに移り
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雨あがる 菜の花濡れて 晩春おそはるの のどけき陽光ひかり 頬にもきて
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エンドロール 語りたい君 隣には もういないこと わかってるのに
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AIに大丈夫かと聞いてから2月日付の納豆を食う/冷蔵庫より発掘
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花巡り腰に湿布の春疲れ 見栄で伸ばすや ひさかたの孫
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良くなる、と言う人がいて、壊れる、と言う人がいる あなたはどうか
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地球の裏で何人死んでも構わぬというふうに塗る瞼のワセリン
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