背景のやうやう暮れる空のもといとど映えゆく花の赤みや
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先週の土曜は昨日のことじゃない?あなたの部屋は月曜始まり
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草は伸び ともしびもなく 寂しげに あるじの帰りを待つ 古い家
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きみからの返信が途絶え二週間スマホを捨ててみる 拾ってくる
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あの時間行けば開いてるいつもの居場所気のせいだった閉店したんだ
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病人の肩をさするその温さ気の毒なのに羨ましいのだ
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ラテアート*ハートつらぬく愛あらばうれしからましを君がからだを
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顔のない男と女絡まりて二度とは逢わず朝の喧騒
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米を研ぐ 必要のない 無洗米 手間と一緒に 何かをなくし
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我だけを 置いて季節は巡り行方 うらしまたろうは ゆめだけ抱いて
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背景に舞い散る花びら美しく少し気も散るラインの画面
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夕暮れの 展望台から 町を見る ふと手が止まる 葬儀会場
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800回 鳴いて吐いてを繰り返し この先ずっと おまえを待ってる
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サイフォンで 畑の中に 水を引き 枯れない泉 手に入れたよう
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寵愛ちょうあいを受けたわんこは西の空さよなら座にて雪ときらめく
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ろうろくは 光を灯し 少しずつ 命を削り 闇の世界へ
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人生は 痛く厳しく 人生は 甘く儚く 愛おしいもの
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4月から 何かが変わる 変わらねば 変えねばならぬ 進歩改善
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真実は そう簡単に 明らかに なるものでなし 信じてなんぼ
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一枚の 葉っぱを調べ 森のこと 判断すれば 大きな誤解
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とこしえに 絶えないものを 求めれば 宗教めいて お嫌いですか
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残雪よ 消えなくていい冬のまま 春よこないで切なくなるから
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ないものを 求めるよりは あるものに 感謝すること 幸福のカギ
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あれもダメ これもダメなら それがある 仕方ないもの 追い詰められて
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どしゃぶりの 冷たい雨に 濡れながら 畑に行って 何する爺
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拾われた 誰にもみせない硝子玉 おまえが落として 今はひび割れ
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「桜でも見て帰ろう」と君が言う 右手にはぬるくなるカフェラテ
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気が付けば 桜満開 春の陽が 優しく注ぐ 引越し日和
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遥かなる 空の彼方に 君想い ただ一言は 君は綺麗だ
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爛漫の 春の花花 華々し 木洩れ日に咲き 可憐に踊る
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