花冷えの 八分咲きにし 桜道 七日延ばした 花見やいかに
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雨降りと下がる気温に引きずられ数え足りない×ばつを数える
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春風に転がる葉見て君が言う 葉っぱが歩いてお散歩してる
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要領は両手もろてを挙げて謝ってすたこら逃げてあとは忘れて
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母ちゃんに今日はお風呂と起きてから何度言ったろ迎え来るまでデイサービス日
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短歌ってどんなんだっけ新聞の歌壇俳壇久々に見る
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ミスをした 皆んなの視線 痛かった 針のむしろは 消えてしまいたい
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時計針 歳取ればなお 早く感じ 小学生の 一年遅かった
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時計針 前に進むと 時間になり 後に進むと 思い出になる
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遅れそう 車渋滞 冷や汗が なぜか時計針 進むの早い
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あの人が「救ってあげる」と夢で言う もういいよ 君の今を生きなよ
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裸眼では 像を結ばぬ 瞳には 一重桜も みな八重桜
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古希祝い 孫もローソク吹き消して どっちが主役? にんまり二人
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て返る弥生 乗り越え 寒いとも なにも言わずに 開花す桜
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思ひ出はいつも季節に寄り添いて春を辿れば桜のありけり
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ここに吐く 声に出さない言の葉は わたしの心の遺言なのです
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タイマーが鳴るまでの恋人でもいいの太ももでキスしてうふふあはは
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図書室にオアシスを見た青春のセピアの日々に抒情のそよぐ
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海溝に マリンスノーは 積もりゆく 闇に降る雪 タマシイは何処
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君のこと特別な人と勘違い 結局周りとおんなじ他人A
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歳重ね 互ひを敬ふ心持ち 幾久しくと安寧願ふ 
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深淵に溶ける夢の裏で 枕をまた跨ぐ
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永遠の 家計の味方 米ともやし キャベツの側に行くな戻れよ
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クレーマー 笑顔武装えがおぶそうで 頭こうべ下げ 心は下げぬと誓う夕暮れ
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猫派我、犬と暮らして幾年いくとせか 「悪くはない」と親バカになり /「愛犬愛」
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まず水素、ヘリウムリチウムベリリウム、あなたはいくつ知っていますか
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見たくないものを見たとき記憶ごと 苦い気分を削除できたら
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あたたかな笑顔の人は花のよう 引き寄せられるミツバチの私
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卒業歌そつぎょうか ユーミンが素敵と 孫に言う 「何故カバなのか?」「それじゃない」
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吐き出して 三十一文字に詰め込んだ 俺のいを おまえにやろう
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