匂い立つ 茶葉が織りなす 紅の 舞に見入りて 砂の刻忘る
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遠い友達の天気実況を聞く「こっち晴れてるけど、あぁ雪なんですね」
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娘という仮面と身体が病むのなら脳から私を出してください
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聞き取れないロシアのパンクがお気に入り ジャケ写の死体がボーカルらしい
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心臓が胃から出る気の身体をノンケの恋愛ソングで逃避
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一言で済んでしまえる生だから言葉が嫌いだ あと花の色
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冬休み中の子どもがマリカーで遊ぶ昔の自分のように
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コカ・コーラの 瓶に見えた 西の空 命を奪う 小型ミサイル
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小さき私。何になりたかった?うん、甘いね。ショートケーキか。うん、上手よ。
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ふと夏を しのび恋しむ 青年は その度 服の雪を払った
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痛い。きっと昼の牡蠣が当たった。あなたと食べたもの。あなたと食べたから?
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やむなくも 短期記憶の欠落に いよいよ映える 若き日のきみ
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高層のビルに群がる鴉らの上にあかねを帯びてくる雲
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たとえもしあなたが私あやめても依然あなたを思慕するでしょう
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校庭のにおいも教室にひとりきりのつめたさも忘れたくない
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昨夜から降り続く雪に除雪車が初出動しぬ。もはや融くまじ
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人はみな未知のウイルス持っているモテモテ♡ウイルスあるよねきっと
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一年前 思いもしないことだった 病気のねこと 過ごす年の瀬
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積む雪を片付ける夫ストーブに金時豆はふっくらと煮え
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迅雷じんらいの粒子を帯びた雨粒は今日も誰かの目覚めを呼んで
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腰痛に膝痛あれど楽しみつ正月準備勤しみており
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ドジしても叱られもせぬ日常に「あほやなあ」の声の聞きたし
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積み上げて、その1つをてっぺんに乗せた途端に崩れる山。食べたのはお前か。
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それじゃ、とあなたが言う。 今日から座りやすくなったソファー。 元々1人用だったし。
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腑に落ちぬことは捨ておけ負に落ちる ポジに気張ればポールポジション
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吾子からの菓子に添えらるメモ紙に父母われら気遣う文字の嬉しき
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落ちた量だけ高くなる砂時計の山も戸惑うわたしの未来も
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フラレたり  残念やけど  しゃあないし  雪見しもって  温泉日和
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急いでも仕方がないことあるんだよベルを無視して終活休み
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いつの間にラジオ体操輪の中に手足を伸ばすも我は旅人
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