田植え終え水の緑の静かなり 希望の早苗に米の騒動
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職場では居場所がないと分かってるそれでもやっぱり働かなくては
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夜半よはに聞く五月雨のやさやさやと しじまいや増す しじまさら増す
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そんなこと 自分でできると 疎まれて いつまでも付かぬ 御膳の燃料
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通夜席の 御膳の固形燃料に チャッカマンにて 火付けてまわる
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神仏に 心静かに手を合はす 凛と佇み姿勢正さむ 
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冷食と 半額シールに 残り物 彩るテーブル ブュッフェ気分
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何もかも解決しないままお薬を飲んで終わりになる日曜日
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明け方の鳥の鳴き声に憂鬱を呼び起こされて鳥は無実だ
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ニュースでしか見たことのないような状況に気づいたらいて地獄は深い
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いぶられてカラタチの木よりポロポロとチャドクガの毛虫落ちて焼かれぬ
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しとしとと雨降りやまぬ深更に閉ざせし本もあけを待ちおり
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心無きAIよりも心無き人に果たして生きる価値ありや?
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丑三つに蛍の如く煙草吸えば夜霧に煙溶けて混ざりぬ
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日本の後期白亜紀長々と続き大絶滅はまだ来ず
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くらい部屋、夜更けに独り聴いている 雨音の色はあの子の瞳
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下ばかりむくなとつばめ宙返りいい歌ですね。いい歌ですよ
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雲の中メーデーメーデー愛してる  機長の夜はミートスパゲティ
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「私」とは、誰かの真似の集合体 それもいつかは私になるの
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「私」とは、誰かの真似の集合体 どれが私かもう分からない
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何もかも嫌になったらその時は 誕生日のように過ごしましょう
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何気ない日々を抱きしめ ふと思う 幸せの形は君の形だ
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衣替えを終えた途端に寒くなり 仕舞った上着を再び羽織る
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愛されていること、とうに知っている カメラの向こうの君を見る犬
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思い出は春の小雨にうながされぽろりぽろりとつたいこぼれる
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ストーブの出番の予報に用意する金時豆を水に浸して
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そそくさと独活採り帰る午後の夫MLB野球NPB野球あわいの仕事
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燃えないの ほんとに全然 燃えないの マッチ握る手に 血豆できても
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水溜まり立ってるだけでも二重丸バチャバチャそんなに褒められてもな
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この穴が見えていないといいのだが 失ったのか元から無いのか
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