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落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
20
糧がためあづく我が子の顔眺む などかは離れじ心ばかりは
5
彫像の陰茎はあるものとする「世界の起源」には触れぬのに
6
「今夜のおかず 何?」 と問われて 「お楽しみ」 そう答えしは 未定の時です
11
菜種づゆさくらは
紅雨
(
こうう
)
春雨に花ひらきゆく皐月来るころ
16
下敷きに逆立つ髪を笑い合い 教室じゅうに満ちる静電気
20
ぽっかりと中央白き寄せ書きの端へ端へと人の寄りゆく
17
午後六時 一年前の 午後六時 生きてるだけで いいのだろうよ
12
自分が歩いてる今を踏む今今今 パスワード忘れてしまうカラ
5
置けば泣き 抱けば我が腕握りたり ときの重さを決して忘れじ
13
葛
(
くず
)
の香は
悪
(
あ
)
しと
厭
(
いと
)
うも見返せばなほその色ぞ美しきかな
8
春が来て雪が溶けても人生はそれぞれにあり、ゆっくり歩け
9
あなたとの
(
)
距離は零から こどもぶん 心は一から 零へと変わる
5
可愛さを金の力に変えられて 異国ではんだ竹は美味いか
10
夏帽子風のいたずら押さえても光陰飛ぶを留むすべなし
9
テレビ消し、静かな部屋に雪が降る見ない優しさ認めてほしい
28
くしゃみして春こじ開ける君とぼく その断面を分けあうルタオ
24
アメリカにロシアのような制裁は加えんのかと誰に言おうか
19
あったのか!いちごスプーンひっそりと白に溶かそう果実の赤を
23
「俺なんて所詮だめだとわかったよ」普段は自分を『私』という君。
6
目の前の待ってたバスを見送った 変な快楽が離れていかない
5
知らぬ間に書きなぐられた告白に消しゴムかける試験日の朝
8
手のひらに収まる薄い端末で億光年の果てまで行こう
5
雪国の春は幾分控えめに土の匂いの這い回る道
15
死にたいと言ってみるだけ本当はなにもしないで眠りたいだけ
6
朝を待つ眠れないまま目を閉じるまた夜を待つ眠れないまま
5
春陽の庭の片隅しみじみと想い咲きかな菊の一輪
18
山裾に 雲はたなびき 動かざり 買い物帰り バスから眺む
15
拙者も
凡百
(
ふつう
)
であるから堪えられぬとは知りつつも夢見る
流浪人
(
むしょく
)
7
自殺者の 枕になりし 北の枕木
3
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