悠久の文字の進化を超えていく自作自型の意味なき戯れ
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携帯が震えてほしい一心で罵詈雑言の売買をする
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つけるなら醤油は同意なんだけど いつもその目でクリオネ見てるの?
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開店のスーパーの横薬局がここぞとばかりチラシを配る
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生きるのが下手すぎるから尚更に海風みたく私はなった
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短冊という媒体を経なければ叶えられない願いはあるか
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おおがいを書くときいつもきもちわるいきせつのなまえになってしまうよ
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ひとしきり泣き濡れたなら手をとって行こう私と闇の中でも
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十年の 余裕なき日々 思い出し 今更ながら 涙流るる
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守られた形見ひとつを寄る辺とし無人の傾斜降りゆきなさい
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あなたには記憶に失せた言葉でも今朝方私それで目覚めた
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やっとやっと蕾がついた金木犀 鼻くっつけて秋確かめる /待ってたよ
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アスターエゾギクの 花を眺めつ 飲む酒も 甘美なるかな 一人酒なる
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新書も文庫もテキストも後回しで調子悪いね右目の二重ふたえ
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届かない手紙抱えていつかゆくあなたの元にどうか読んでね
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グッドバイ抜け殻の私 ハローハロー私色の影ゆらゆら揺れて
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毎日のひとつひとつに至らない私がそっとサヨナラしてる
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透明のきれいな服を着るきみは僕を狙って逃がさず食べる
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血は巡り鉄に駆られて渦巻いて呪いのよふに命を喰らい
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すれ違うことがあってもお互いを気遣い合って笑顔でいよう
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図書館は商店街を抜けたあとまだかまだかと言う距離にあり
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隠し事俺に言うなよ耐えたとて月曜日には言ってしまうぞ
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上下する気圧も気分も落ち着かせ湖水のさざ波リズム借りたし
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キミの言うみんなの中にいつも俺が入ってないのはなぜなんだ
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白陶に現るドラゴン吉兆で身軽な僕は如意棒を得て
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アスリートの妻になったタレントが取った資格を自慢しだした
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叫ばない泣かない君の心にね触れたいけれど何だこの城壁
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紅葉こうようの小春 紅白見頃なる薔薇 故郷ふるさとの母を想ひぬ
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言の葉で 連想されし 情景は 心の中で かたどられゆく
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三日月は 今夜も僕を見下ろして こっちにおいでと 導かれるやう
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