雪よもう君は忘れてしまったか記憶のつちに春の雨ふる
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花踊る 日だまり中 君を待ち 時が過ぎ行く これまた楽し
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嘘をつく相手も居ない雨の日の四月一日只々寒い
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朝露の 薫る山里 いつの日か 我住む街に 穏やかなりて
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笑えない嘘にまみれた世の中で今日だけはある笑える嘘が
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小一時間 ねこがおひざに乗っていた 何もできずとも よき昼下がり
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寒いから毛布の中が心地良いああ心地良い夢のようだよ
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目が合った あなたの綺麗なその顔と 忘れられない正月になる
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幕が下り僕生き延びて美しく終わるお話君だけいない
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小腹すきカップラーメン啜る午後 熱々スープ全部飲み干す
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筆箱やノートを買って新年度三月までの我は消えゆく
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見てしまい知ってしまえば情がわくそんな私は春はおこもり
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漆黒のスーツ纏いて立つ美人/春の気配と鼓動重なり
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本当に雪が降ってる外に出た猫を回収しなくちゃならん
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一角の憤怒の獣を膝に乗せ 森深く在る私は乙女
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つのがある翼もあって鉤爪で 鱗もあった あの頃はただ
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五日間働いたのなら五日間休むべきだ 絶対に
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二日酔い 一生呑まないと心決め なぜか夜には カシュっと開ける
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花粉症悩ませられて五周年今日はケーキを買ってあげよう
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両親は硬い顔してぼくの絵が悪魔かパイかで議論している
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「モテ期だ」ときみは真っ赤なリップ塗る 古い雑誌の占いを見て
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洋服についた犬の毛手に取って 思い出してる2匹のことを
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ドヤ顔で息子の弁当作ったが 「少なかった」とクレーム発生
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「この匂い持って帰る」と君が言う 犬と遊んだ手を洗わない
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ランドセル背負しょい ソメイヨシノを横に 写る幼きと若き母
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叔母宅の犬散歩して糞拾い 「犬飼いたい」と言わなくなった
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なんだ雪積もってないのか北海道 車窓に流れる白樺並木
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何のためあるか分からぬ春休み 息子ダラダラ過ごす毎日
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小児科の待合室で流れてる アンパンマンも君見なくなり
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早春のよるにとけたる沈丁花 となり歩いたむかしのにおい
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