離陸したきみのジェット機 雨雲の上の世界に突き抜けてゆく
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乱れ寝間闘うはずのスクロール我らの春の茫たる不安
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マシュマロのはずんだやうに「ぼくもすき」愛しさ増せるホワイトデーかな
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虚しさが、質量をもって襲い来る。トクホのコーラであんまん流し込む。
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いかにせむ眠れぬ子へと伝へよう 恐るることはないと言ふのに
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八雲立つ出雲出どころフライパン 咆え猛るなり火災報知器
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戻らない時を思へば相反す 静かに眺む珠の寝顔を
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雲間から 覗く空は 青いのに 冬の次には 春が来るのに
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南洋の日本兵らの陽除ケ帽 今園児らのうなじを覆ふ
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くちびるを 噛んで溢れる 鉄の味  吐き捨て空を 見上げ流さじ
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歩道沿ひ並びし 蒲公英タンポポの黄花 散歩の犬目線の春かな
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園児らのぶっきらぼーな歌声と 雲雀の鳴き音空に交差し
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陽を浴びる 春の蕾に 指添えて ランドセル咲く 頃を待ちわぶ
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ホワイトデーマグリットの絵の雲のようだと君が言う
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ウメジロー 枝から枝へ 蜜の味 風薫る 梅の香こぼれ 春隣
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寒かった今日振り返り汁物をコンポタとする米研ぎのとき
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愛すべき者あればこそ 明日へと希望繋がり 今日を生きんとす
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白鳥は 今きっと津軽 海峡を 越えているはず 彼岸に千歳
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身を屈め目線合わせる水仙にご機嫌を問う迷惑かしら
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目覚むれば二日で二尺の雪積みて春は一気に振り出しへ戻る
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「誇り高き下等動物」君のことそう呼ぶことで怒り鎮めん
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アレクサが流し続ける今さらにシティポップは時を洗練みがけり
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仕事柄常に眼精疲労ですおでこグリグリまるで拷問
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決戦は土曜日なりと戯れにしも尾灯点滅無縁青春
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ミサイルが 小学校に 落っこちて 百七十五 人死にました /米軍ミサイルイラン女子小学校誤爆
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日の入りから日の出までの時間には、あなたに彼女がいるか気になる。
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未舗装の石ころ踏んで土手をゆく菜の花の黄にくしゃみがひとつ
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吾が足を他の亀かと思いきや 我が家の亀はじゃれつき登る
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アンドロメダ銀河のことを語ってるきみの息白くって白くって
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大阪の環状線は危険なり 円を離れて知らないとこへ(猫好き様へ忠告)
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