リビングでくつろぐ姿 マナティも 岩場で休み見間違われた/人魚
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新品の手提げに刺し子 六年後ボロボロなるかと 一針一針
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吐く息が 吸う息よりも長くって いったい何を吐いてんだろな
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深海の静けさに沈められたなら 私はきっと生きていけるのに
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年月の重きに耐えて位牌縮む弟も老いて草臥れしか
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引き摺られコンポのCDオンすれば「私は今日まで生きてみました」
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ホタルイカ 波打ち際に 集まりて 青白い光に 染まる浜
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黄金比崩れゆく現代いまに嘆いてるわたしの声は四ツ角で流れて
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手遅れとただ諦めてしまうより それでもこれが始まりとして
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叩かれるだけじゃなかった 母の手はときに日陰をつくってくれた
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一粒と 私が思っているうちに もろこしおかきは 三粒消える
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渡り鳥 小さき翼 携えて 大空を飛ぶ たくましさ見ゆ
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笑ってる時間猫とのふれあいはどうやら呆けに効果あるらし/ひさかた乃様へ
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思いつきボヤキも愚痴も七五調万に一つは歌になれよと
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ウケまくりツボにハマってさあ大変 笑う時間は無駄じゃないよね /のぎしり様へ
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こんなにも感性の似た人いると嬉しかったり可笑しかったり
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充分に時間を無駄に費やした今更焦るべきであろうか
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気がつけば 還暦すぐそこ 教え子が 自分の子どもを連れてきており
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木蓮の花が茶色く散っている白のニットがもう暑い春
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世の中に辛いお酒の無かりせば如何にぞ憂さを慰めもする
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世の中に苦い珈琲無かりせば如何にぞ気分リフレッシュする
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存在はほつれた糸の断片と化してをさまるデータセンター
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おひざはね あんしん安心できる ばしょなのよ こねこモードで まったりするの
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ででっぽー冷たい風に山鳩の鳴く声聞けば不吉な記憶
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「希望」の花言葉持つレンギョウのまぶしきことよ氷雨降る日も
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人生もリセマラできりゃ良いのにな ハズレ家庭もボタンひとつで
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桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
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ぼっとしてなにげに思う今僕は放心してる最中じゃない?
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冴返る春に負けじと 花びらは がくとどまる 散らぬようにと
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閉じてるとわからないけど猫の口欠伸あくびはでかいプレデターだな
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