面白い冗談を言えば、また肩に触れてくれるのかもとか思って。
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窓越しの青空見ても気は晴れずどうせ寒いと独り籠もりぬ
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本棚の文庫本に笑われるぐらい膨らんだ腹 五十まで生きられるかな
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獣らも恋人たちも陽だまりでつがいで暖とる3月のZOO動物園 
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去年まで咲いてた桜切られててうれしくもない空の広さよ
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春を呼ぶ 陽射し艶やかに 紅梅の ほの香漂ふ 花の宴
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人肌を忘れたてのひら愛されぬよりも愛さぬことをこそ憂う
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チョキ出して 駆けて行く君が かわいくて 泣き出しそうで こんなにも春。
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マスクして人目を忍び細めた目笑顔と断じ笑む赤子よ
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忘れ物したと私を呼び戻し抱擁よこす女友達
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露悪的即ち厨二病として天から地獄見下ろす傲慢
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白と灰色の格子で僕たちは透明色を幻視している
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大谷の記録は無限に広がって期待を超える期待どうりに お題「大谷翔平」
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離陸したきみのジェット機 雨雲の上の世界に突き抜けてゆく
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乱れ寝間闘うはずのスクロール我らの春の茫たる不安
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マシュマロのはずんだやうに「ぼくもすき」愛しさ増せるホワイトデーかな
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虚しさが、質量をもって襲い来る。トクホのコーラであんまん流し込む。
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いかにせむ眠れぬ子へと伝へよう 恐るることはないと言ふのに
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八雲立つ出雲出どころフライパン 咆え猛るなり火災報知器
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戻らない時を思へば相反す 静かに眺む珠の寝顔を
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雲間から 覗く空は 青いのに 冬の次には 春が来るのに
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南洋の日本兵らの陽除ケ帽 今園児らのうなじを覆ふ
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くちびるを 噛んで溢れる 鉄の味  吐き捨て空を 見上げ流さじ
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歩道沿ひ並びし 蒲公英タンポポの黄花 散歩の犬目線の春かな
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園児らのぶっきらぼーな歌声と 雲雀の鳴き音空に交差し
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陽を浴びる 春の蕾に 指添えて ランドセル咲く 頃を待ちわぶ
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ホワイトデーマグリットの絵の雲のようだと君が言う
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ウメジロー 枝から枝へ 蜜の味 風薫る 梅の香こぼれ 春隣
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寒かった今日振り返り汁物をコンポタとする米研ぎのとき
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愛すべき者あればこそ 明日へと希望繋がり 今日を生きんとす
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