愛されたい 愛されたいけどお前じゃない 愛したいけどわたしじゃない、って
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人生が点AB…と続くとき一瞬重なる点Pだった
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何もないなんて今もう言わないで 楽しかったよね? 苦しかったよね?
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思い出と呼べるほどには思い出にならなかったね 空が明らむ
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「流れ星が落ちるね。寒くなったから」電波の悪い部屋にも   星
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十光年先の自分からの光あなたの願いは叶っているよ
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七等星でいいあたしは暗いままきみの伴星として生きたい
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フロントガラスが曇る 宇宙でもきみとわたしはあたたかいだろう
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宇宙って言うといつでも夜みたい 地球のどこかはいつでも真昼
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終わること前提にして共に住み いつか形見となるヒゲ拾う
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月遅れ 叶わぬ願ひ 書き留めた 七夕のそら 揺れる短冊 /田舎の七夕は月遅れ
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もう少し いい加減でもいいんだよ 息が苦しくなっちゃうからさ
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職場での 思いを短歌で 浄化して 人間関係 良化中
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姿勢がいいと褒められたから 帰り道も少し背筋を伸ばす
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くらげみたいになりたいゆらゆらと波にゆられて流されるまま
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幾年も昔の今日のわざわいを知ってか知らずか人は争う
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苦手とは 悪口ささやく背後霊 耳を貸さずに頼ってみよう
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祈りの日 去年こぞおとないし広島の街へ川へ思いを馳せる
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確実に 季節移ろい 秋近し ツクツクボウシ 夕暮れに鳴く
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想い人 夢と同じく 万華鏡 息吞む目前 溶けるよう
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八月の百年先の飛行機は高揚だけを抱えて発って
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帰るのを待っていたかのように雨 泣いていいんだよ一緒に帰ろ
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何一つ成し遂げぬまま陽が沈み それもいいかと手に取る麦酒
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千年後そんなに近い未来などたった千年じゃ化石になれない
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通り雨 きれいさっぱり 流し去れ ほおずき苦し つぃと吐き出す  
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いい人と思えばいい人なんだよね 信じて話せばみんな味方さ
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ハンカチが なみだで重く なったのは その分の苦が 染み込んだからね
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くれるならなんでもよかったお菓子でも化粧品でも愛も呪いも
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東京はこの夏イチの不快なり苔むすよりもワタシ蒸されて
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ひとすじの ひこうき雲の 彼方には 何が待ってる? 誰かおしえて
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